FTの有料読者数、実は過去最大になっていた 新課金制度は何がスゴイのか?
もちろん、これ以上に成長するつもりではあるが、「スケールのためだけに、規模を拡大する」ことはしたくないと、スレイド氏はいう。「FTのコンテンツをすべて無料にして、一晩で大量のトラフィックを稼ぐことはできる。しかし、FTが求めているものはトラフィックの量ではなく質だ。我々が行うすべての行動はデータ分析によって裏付けされている。そして、ソーシャルプラットフォームでオーディエンスにリーチする際には、思いやりをもって接しなければならない」と、彼はコメントする。
FTの中核には「データ」がある
このように、ソーシャルプラットフォームと協力しているFTだが、これ以外にもスレイド氏が行っていることは多くある。購読契約数を増やすために、デジタルマーケティング企業である電通イージス・ネットワーク社の元CEOであり、プログラマティック分野に長けた、アムネット・サチャ・ブナティアン氏を、グローバルB2Cマーケティングディレクターとして雇い入れたことも、そのうちのひとつだ。ブナティアン氏は、2016年3月上旬から入社しているが、買収、オーディエンス開発、CRM、eコマースと運営を担当することになっている。
「このような企業の中核にデータがあるということは、とても珍しい」と、ブナティアン氏。「FTの最高データ責任者が役員会にいることが、FTは顧客やデータを重要視しているという証拠だ。オーディエンスセグメンテーションを改善する環境も整っている」。
ブナティアン氏は、これからオーディエンスマネージメントとセグメンテーションを重視し、顧客とのコミュニケーションもそれぞれの顧客に特化した対応をしていく計画だと教えてくれた。「我々が発信するブランドメッセージから、クリエイターたち、メディアの買収方法、顧客とのエンゲージ、ソーシャルメディアプラットフォームやeメールに至るまで、すべてにおいてそれぞれのオーディエンスに特化させ、正しいタイミングでエンゲージを図っていきたい」と最後にコメントしてくれた。
Jessica Davies(原文 / 訳:BIG ROMAN)
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