英「エコノミスト」が始めた新しいネット戦略 ユーザーの「注目」をネット広告の通貨に
英経済誌「エコノミスト(The Economist)」は、ユーザーの「アテンション(注目)」を「時間」で評価する広告を販売する方針を固めた。従来のインプレッション(表示)とは別の指標を打ち立てようという試みだ。
有料購読と広告販売を組み合わせたビジネスモデルを運用している「エコノミスト」。その広告部門では、グローバル展開しているマーケターに対し、「CPH(Cost-Per-Hour)」広告をアプリとWebの双方で提供している。「CPH」は「読者が広告に注目を払った時間」に発生する費用の指標だ。
同社のデジタルプロダクト営業部グローバル統括部長を務めるアシュウィン・スリダー氏は米DIGIDAYの取材に対し、こう述べた。「ビューアビリティ(Viewability:可視性)はユーザーのアテンションを提供できない。広告の質を少し担保できるだけだ。メディアバイイングがたどる次のステップは『アテンション』を売り買いすることだ」。
「アクティブな5秒以上の閲覧」が請求対象
同社は「5秒以上アクティブな閲覧がされた」ディスプレイ広告のインプレッションに対してのみ広告料金を請求する。「アクティブな閲覧」の定義は、ユーザーがスクロールしたり、キーボードを叩いたり、マウスを使ったりすること。これらを測定するのは、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」のCPH測定も担う、効果測定企業のチャートビート(Chartbeat)と、Facebookのインビューインプレッション(In-View Impression:広告が画面上に現れたインプレッション)測定も手掛けるモート(Moat)だ。