孫正義は「中学英語」で世界トップと交渉する 元社長室長が間近で見た「伝わる英語」
また、英語のプレゼンテーションやスピーチでは、初めのあいさつの次に、そのイベントへの招待に対する感謝や喜びを表わすのが一般的です。
I’m very excited to be here. And I am so happy that we are sharing thoughts together.
(ここにいることにとても興奮しています。そして、私どもの考えを皆さんと共有できることがとても嬉しいです)
このセンテンスも先と同様、CCAのイベントにおける冒頭の部分です。センテンスの根幹は「I’m excited」と「I am happy」という中学1年生レベルの英語です。できるだけ簡単な表現で、自分の言いたいことをはっきりと言い切ってしまうことが大切です。
また、英語のスピーチをする時、ノン・ネイティブが困るのは話の流れを変える時でしょう。孫正義の英語のプレゼンテーションの場合、冒頭のあいさつの後に「Let me」を使ったセンテンスで始めるのがひとつのパターンになっています。
Let me start my presentation.
(プレゼンを始めさせてください)
使役動詞「Let」を自分自身に使う簡単な表現です。「Let」を使った孫正義のほかのプレゼンでのセンテンスには、次のようなものがあります。
Let me explain why it is wrong in detail in my presentation.
(私のプレゼンで、なぜそれが悪いか詳細を説明させてください)
これも「Let me ~」から始まるセンテンスですが、プレゼンのテーマについて、非常に明確に伝わる表現となっています。
プレゼンでの話題転換の際には「Let’s」を使う
「Let」を活用した便利な表現はほかにもあります。
プレゼンでスライドを使う場合、話の流れはスライドに沿って進むことになります。多くの場合、スライドにはテーマとキーメッセージが簡単に書かれています。ですから、プレゼンをする人が新しい話題に話を展開していかなくてはなりません。
孫正義がプレゼンにおいて非常によく使うセンテンスに次のようなものがあります。
Let’s look at the enterprise market share.
(法人市場の占有率について見てみましょう)
「Let’s」という使役動詞を使った成句と、「look at」という中学で最初に習う成句からなっています。「look at」の後には、次のスライドのテーマが入ります。聴衆に話の流れを理解してもらうために、英語でプレゼンテーションする場合にはぜひ覚えておきたい、非常に便利なセンテンスです。
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