東京ディズニーランドは「細部」で人を呼ぶ あの感動は「なんとなく」ではなかった!

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さらには、“シャットダウン”は視覚にとどまらない。感覚についても同様だ。東京ディズニーランドでは蚊に刺されにくい仕組みがある。堀は、水や植栽にもこだわりや工夫があると話をしていた。お客様が快適に過ごせるようにというだけでなく、心理的にも日常に引き戻されないようにという視点がそこにはある。

「知識を豊かにするもの」

東京ディズニーランドはも多く訪れる施設なのに、教育的視点が欠けていると指摘されることがある。本当にそうだろうか? 東京ディズニーランドには知識を豊かにするものがたくさんそろっており、よくわかっている人は東京ディズニーランドでエデュケーション・ツアーを楽しんでいる。

アトラクションを中心に楽しんでいるのが入門者とすれば、ショーを中心に楽しんでいるのが中級者。ウォルト・ディズニー氏の教育的こだわりを中心に楽しんでいるのが上級者だと筆者は思う。

たとえば、音楽。世界の音楽というテーマで、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを巡ってみると面白い。イギリスからアメリカへの移民に伴い、アイリッシュ音楽がアメリカ音楽に与えカントリーが生まれていく変化や、アフリカから入ってきた音楽がジャズを生む流れなどを学ぶことができる。

また、堀は講演で「カントリーベア・ジャンボリー」(現在のアトラクション名は「カントリーベア・シアター」)の話をしたことがある。16匹のクマが演奏するショーだが、真ん中の5匹が演奏する楽器は古い1本のハーモニカを除いてすべて手作りの楽器だそうである。カントリー・ウェスタン発祥の頃は、手作りの楽器が多かったわけだが、このショーにはウォルト・ディズニー氏のこだわりがあるというのだ。

ショーを見た子どもたちが、家に帰ったらペットボトルを使ったマラカスやストローを使った笛など自分たちの手作りの楽器で、家族で演奏を楽しむ。家族で合奏すると非常に楽しいので、そうやっているうちに本当の楽器が欲しくなる。そう思ったときに、楽器を手に入れたら音楽をやりたいという気持ちが本格的に高まるというわけだ。

そういうモチベーションをつくる仕掛けが「カントリーベア・ジャンボリー」にはあるという。また本家ディズニーランドには、アメリカ建国や大統領の演説や誕生などを中心とした、アメリカ合衆国の歴史を学べる施設もあるし、ディズニーワールドにはエプコットと言う実験未来都市がテーマのエリアで楽しみながら科学について勉強できるエリアもある。

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