12月決算企業の2016年度予想は、1月下旬から2月にかけて発表された。やや古い話だが、その状況を振り返っておきたい。
年初から中国市場で株価が暴落し、円高が進むなど悪材料が噴出。期初から厳しい環境でのスタートを余儀なくされている。変則決算を除く356社のうち、営業減益見通しの銘柄は91社に上る。今回のランキングは減益額が大きい順にランキングしたものだ。
上位3社は製薬会社が占めた。首位の大塚ホールディングスは、柱の抗精神病薬が2015年春に米国で特許切れとなり、売り上げ激減が見込まれることが響く。2位の中外製薬、3位の協和発酵キリンは、主力品の薬価引き下げが痛手となる。
スマホゲーム大手も苦戦
4位のガンホー・オンライン・エンターテイメントは、稼ぎ頭のスマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」の国内利用が減少している。11位のKLabはスマホゲーム「ラブライブ!」が失速し、赤字に転落する。浮き沈みの激しいスマホゲームは、競争も激化しており、以前より収益化が難しくなっている。
5位の三陽商会は英国ブランド「バーバリー」との契約が2015年6月に終了した。新ブランドは浸透途上で赤字に転落する。
ここまでの銘柄は個別要因が主な業績悪化の理由だが、外部要因により大幅減益となるのが7位の静岡ガスだ。原料安を反映した料金の値下げにより、前期の営業増益から一転して大幅反落となる。
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