新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ500 16年最新版!「新卒3年定着率」を徹底解明

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3メガバンクの定着率は拮抗

376位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(91.9%)は入社1327人のうち1219人が在籍。そのうち女性は896人から811人となっている。この女性人数は日本電信電話を上回り最多だ。ただ、メガバンク内の定着率では354位三井住友フィナンシャルグループが92.5%で三菱UFJを上回った。ちなみに398位みずほフィナンシャルグループは91.6%と3社はほぼ均衡している。

対象社数が10社以上の業種で平均定着率がもっとも高かったのは電気・ガス業の97.0%(10社)。個別企業では121位中国電力99.6%、126位四国電力98.5 %、128位中部電力98.4%、136位九州電力98.0%が高かった。

他にガラス・土石製品94.6%(12社)、ゴム製品92.2%(11社)、その他金融業91.1%(10社)、輸送用機器91.0%(50社)も高い。一方、低い業種は、サービス業67.4%(57社)、小売業72.0%(64社)、卸売業80.3%(91社)、不動産業82.0%(17社)、建設業82.3%(52社)となった。

業種の中でも大きな差がある

ただ、こうした低い業種でも100%の会社はある。サービス業では、オリエンタルランド(34人入社、以下同)、オオバ(10人)、東京都競馬(4人)、キタック(3人)の4社。小売業ではヤマナカ(3人)。不動産業では野村不動産ホールディングス(25人)、イオンモール(20人)、東京建物(10人)、NTT都市開発(9人)、ヒューリック(6人)の5社。業種の中でも大きな差があるのが現状だ。

しかし、例年どおり上位は製造業が多いのも事実。このランキングは高専卒、専門卒、高卒といった大卒者以外の新卒者も含む。製造業中心の上位企業は学歴や担当している仕事に関わらずどの社員にも働きやすい職場である可能性が高そうだ。

新卒3年後定着率は新卒だけでなく全社の働きやすさを見る指標の一つとしても使われる。もちろん、これだけで絶対とは言えないが、膨大な会社の中から候補を絞らなければならない就職活動では効果的なデータとなるだろう。

今回のランキングでは500位のLIXILグループでも定着率88.4%と、一般的に目安とされる定着率70%を大きく上回る。この500社の中から自分にあった会社を探していけば、企業研究の手間はぐっと減るはずだ。

3月1日から「青少年雇用促進法」に基づき就職活動中の学生へ会社からの定着率等の職場に関する情報の部分的開示が義務づけられた。まだ完全開示にはほど遠いが、普通の会社であれば「定着率などの開示は当たり前」という時代は目前となりつつある。これまで新卒の3年後定着率(離職率)は東洋経済新報社などの媒体で限られた会社しか見ることができなかったが、今後はより多くの情報が公開されるようになるだろう。

新卒定着率や育児休業取得率などの「働きやすさ」に加え、CSR(企業の社会的責任)や財務状況も考慮して企業を見極め方を徹底解説。上の画像をクリックすると購入サイトにジャンプします

さて、一般に「ホワイト企業」はこの新卒3年後定着率、有給休暇取得率、残業時間、福利厚生制度など自分がゆったり働けるかどうかが基準になることが多い。

ゆとりある働き方ができる職場はおおむね「よい会社」であることは多いが、一部にはコンプライアンスや環境、サプライチェーンでの人権問題などCSR面での対応が弱いケースもある。こうした点から思わぬところでつまずく会社も出てくる。「本当のホワイト企業」は従業員、取引先、地域、環境、顧客などの幅広い面を普段から配慮している会社ということは知っておいた方がよいだろう。

そうした情報もあわせてご覧になりたい場合は日本最大のCSR情報を掲載する『CSR企業総覧』とその評価データである「CSR企業ランキング」の使い方を解説した『指標とランキングでわかる!本当のホワイト企業の見つけ方』をご活用いただきたい。

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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