弁護士は「婚前契約」をしないと結婚しない? 弁護士の婚活事情最前線<2>
弁護士がモテなくなっていると言われていることについての意見を聞くと、モテるかモテないかは本人の資質によるものですから、職業の枠でくくることには意味がないと思っています、という真面目な返答がかえってきた。
女性とデートをすることは多くない紀彦だが、会食などでもよく利用し、女性から評判がいいレストランは銀座の『エスキス』だという。
国が作った制度に自分を当てはめるのはいやだから、あえて結婚する必要はないと思っていると話す紀彦。それでも、周りにそろそろ結婚しないのかと聞かれることも多くなり、以前より結婚願望が出てきたそうだ。
紀彦のような男は、一体どんな女性と結婚するのだろう。
一度お見合いをしたことがあるんです、という紀彦の意外な言葉に興味をひかれ、詳しく話を聞いてみた。今の時代にあって、少し意外にも思えるが、重鎮弁護士の妻たちの中には、独身の若手弁護士と、名家の娘を結婚させることに心血をそそいでいる者がいるのだそうだ。
紀彦も、大学時代の大先輩である重鎮弁護士の妻に強く勧められ、お見合いをすることになった。紀彦の言葉を借りれば、ソフィスティケイティッドな会話のできない、自分の好みとはおよそかけ離れたタイプの違う女性が現れたため、会ってすぐに断ろうと決めたという。ところが、相手から先に断られてプライドを深く傷つけられたそうだ。それ以来、お見合いの話を持ち掛けられても即断っているという。
婚前契約を結ぶのか?:Yes
海外では「プレナップ」と呼ばれる婚前契約。ハリウッドセレブ同士の結婚では婚前契約を結ぶのが当たり前なようだが、日本では、弁護士業界においてさえ、それほど浸透していない。
しかし、紀彦は、婚前契約を結ばなければ結婚する気はないという。何事にも準備を怠らず、損をしたくないと話す紀彦にとって、婚前契約を結ぶというのはむしろ当然の発想なのかもしれない。相手が提案した婚前契約書にも、普段の仕事と同様、「てにをは」レベルから、大量の修正履歴をつけて突き返すのだろう。
これまで何の挫折もなくエリート街道を歩いてきた紀彦だが、渉外系企業法務弁護士として手掛けてきた華々しい案件と同様、結婚についても最後には華麗なクロージングをまとめてみせる日が来るのだろうか。
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