銀証融合と独立系証券の勝者は--帰趨を占う大和証券G本社と三井住友FGの合弁解消
「この10年のシナジーを、次の10年のエナジーに」--。
今年4月。大和証券SMBCは創業10周年を迎えたのを記念して、大手新聞に1面広告を出した。総合証券2位の大和証券グループ本社と、3メガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)。
両社が共同出資(大和60%、SMFG40%)する法人向け(ホールセール)証券会社の大和SMBCは、近年進む銀行と証券の融合の先駆的存在と言われてきた。同広告に綴られたキャッチコピーは、大和とSMFGの関係が蜜月なままで続くと感じられる内容だった。
だが、事態は急転した。
大和証券グループ本社は9月10日、大和SMBCについて、SMFGとの合弁関係を解消すると発表した。大和がSMFGの保有する大和SMBC株40%を12月末に2000億円程度で取得。1999年から続いてきた資本・業務提携に終止符を打つ。
SMFGは大和と競合する日興コーディアル証券の買収に動いたのを機に、大和SMBC株の過半取得を大和に持ちかけた。しかし、大和側がこれを拒否したため、両社の提携関係の解消につながった。
メインバンクと親密証券会社という両社の友好関係は維持する。SMFGグループから大和SMBCに転籍している従業員約230人のうち、残留を希望しない従業員は、原則として10月にSMFGグループへ復籍する。