「共同経済圏」がパレスチナ和平をもたらす

米NY流の特別行政区が解決のヒントに

壁でイスラエル領と隔てられたパレスチナの町 (写真: rglinsky / PIXTA)

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中東でシリア情勢が混沌とする中、パレスチナ問題も解決の道筋が見えない状態が続いている。唯一の解決策と期待されてきたのが、パレスチナが独立国家を樹立し、イスラエルとの共存を目指す「2国家構想」である。しかし同構想は今や崩壊寸前の状態にある。

打撃となったのは、2014年夏のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区での「境界防衛」作戦敢行だった。イスラエルの容赦ない攻撃で1500人以上の市民が命を奪われ、10万人以上が住居を失ったとされる。ケリー米国務長官などが事態の沈静化を働きかけたが、いまだにイスラエルとパレスチナのにらみ合いは続いたままだ。

いずれパレスチナ人がイスラエルで、これまでなかった選挙権を獲得しようと声を上げ始めるかもしれない。仮にそうなれば激しい衝突が起こるおそれもある。同地域で社会秩序をどう取り戻すか、建設的な方法は見えづらいままだ。

解決のヒントは「共同経済圏」

解決のヒントはある。1994年にイスラエルがヨルダンとの平和条約締結後に提案した、国境を越えた「共同経済圏」である。その提案は「JGIP」(ヨルダン域内の合弁工業特区)として結実した。同特区はヨルダン川流域に広がる約1・4平方キロメートルの経済特区で、イスラエルとヨルダンの金融機関が共存する。

JGIPはイスラエルの実業家らの支持が追い風となり、近年著しい成長を遂げている。2013年にはイスラエル政府が3400万ドルを投資、ヨルダン政府も資金面でのサポートを続ける。世界中の経済特区と同様、関税など税金が免除される。

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