規制強化に揺れるバス、受注増で抱える悩み 更新需要中心では大増産には踏み切れない

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追い打ちとなりそうなのが、今年1月に軽井沢で起きたスキーバスの転落事故だ。数年ごとに悲惨な事故が起きる事態を重く見た国土交通省は、3月7日、すべての貸し切りバスに対し、ドライブレコーダーの設置と、その記録映像を用いた運転指導を義務化する方針を明らかにしている。

軽井沢の事故で再び規制強化の流れに

バスは1台ごとに仕様が異なる(撮影:今祥雄

今後、衝突被害軽減ブレーキなどハード面での安全対策も強化されれば、車台価格の上昇は避けられない。

1日平均100台のバスを配車している旅行会社のクラブツーリズムによると、「軽井沢の事故以来、利用するバス運行会社について、ツアー客からの問い合わせが増えている」(五十嵐雅之バス仕入・開発センター所長)。

重大事故のたびに消費者の安全への関心が高まり、行政は規制を強化してきたが、その都度バス運行会社の経営も左右してきた。

メーカー側も受注が好調であっても更新需要が中心では、思い切った増産に着手できない。規制に翻弄されるバス業界の悩みは深い。

「週刊東洋経済」2016年3月19日号<14日発売>「核心リポート03」を転載)

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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