グローバル化は「1493年」から始まっていた コロンブスの新大陸到達がもたらしたもの
タイトルの『1493』とは、コロンブスが新大陸から黄金の装身具やカラフルな鳥、先住民捕虜を携えてスペインへ帰国した年である。この年を境に、超大陸パンゲアが分裂してから2億年以上もの長きにわたって独自の生態系を育んだきた各大陸が、人類の手を介して再び出会うことになったのだ。
コロンブス以前には、どのような生物にも大陸間を結びつけることは不可能であり、それぞれの大陸は規模の大きなガラパゴスのような状態だったともいえる。
あまりにも大きく世界を変えた「コロンブス交換」
コロンブスの大陸到達を契機として何十億年も隔てられていた生態系が急激に混ざり合う過程は「コロンブス交換」といわれる。コロンブス交換の影響の大きさは、食卓にあがる料理にもあらわれている。この交換がなければ、トマトもトウモロコシもジャガイモも、アメリカ大陸を飛び出してあなたの口に入ることはなかった。
食物以外にも、本書ではマラリア、銀、タバコ、天然ゴムや奴隷などがどのように交換され、世界を変えたのかが明らかにされていく。「サイエンス」誌などにも寄稿するジャーナリストの著者は、これらの交換で中心的な役割を果たした多くの都市を実際に訪れ、コロンブス交換を過去の歴史としてではなく、現代世界にも大きな痕跡を残している現在進行形のものとして伝えてくれる。
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