引っ越し業者の「賢い選び方」が変わり始めた ハトが"御三家"の上に羽ばたいた理由
ハトのマークに話を戻そう、同社は40年以上前の創立当初から独自資格の「管理士制度」を設けている。「料金の見積もりやサービスを均一化することが、他社以上に重要な課題」(今井修専務理事)であるからだ。
どういうことか。ハトのマークの正式名称は「全国引越専門協同組合連合会」。同社は、まだ全国で引っ越しサービスを手がける運送業者が日本通運くらいしか存在しなかった1974年に創立した最古参だ。アートコーポレーションなど同業大手と大きく異なるのは、地場の中小運送会社約150社が18の協同組合を作り、同一ブランドでサービスを提供している連合体であるという点。それだけに「一定レベルの従業員教育や、サービス品質を確保することに長年腐心してきた」(同)という。
今回のランキングでハトのマークは、4種類取り揃えた「単身プラン」の豊富さも高い総合評価へとつながったが、今井専務は「他社との得点差は小さい。今後も愚直な努力を続けるのみ」と、気を緩めていない。
本当に賢い業者選びには、どんな視点が必要?
引っ越しの市場規模は年間4500~5000億円とされる。ネット通販の追い風を受けて2兆円規模に膨らんだ宅配便市場の、4分の1程度にすぎない。短期的には、来年4月予定の消費増税を前に、住宅購入の駆け込み需要に伴う引っ越しの増加も予想される。が、長期的に見れば、高齢化や人口減でマーケットの縮小は続くだろう。
業界では勝ち残りをかけ、ファミリー層などの引っ越しと比べ、効率性が高い単身者などの小口需要や企業などの法人需要の取り込みへとシフトする大手の動きも目立ち始めている。
そうした各社ごとの営業戦略と、自分自身の引っ越しニーズは、はたして合致しているだろうか。納得できる引っ越しをしたいなら、会社の知名度だけに頼らないユーザー側の眼力も問われる時代といえる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら