『全脳思考』を書いた神田昌典氏(経営コンサルタント)に聞く

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--このままだと日本はどうなりますか。

工業社会でモノづくりが中心だった時代から知識を付加価値として販売する時代に入っているにもかかわらず、大方はまだモノづくりをきちんとやれば儲かる、会社が存続できるというような考え方にある。時代が大きく変化しているにもかかわらず、単純にカイゼンをすればいいだろうという考え方だ。

実際、実務担当者は、情報を収集・整理するのは経験として培ってきたけれども、収集・整理した情報からどのように付加価値をつくって新たな経営行動につなげ、結果を出すか、そのへんの思考モデルに弱い。「知的蟹工船」と呼ばせていただいているが、仕事のやり方がわからないなかで仕事の量だけが増えている。たいへんなストレス下に実務担当者は置かれている。

この局面を乗り越えれば、人間性を謳歌しうる理想的な時代の到来だと思うが、いまは瀬戸際にある。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

かんだ・まさのり
上智大学外国語学部卒。大学3年次に外交官試験合格。大学4年次より、外務省経済局に勤務。ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルベニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントに。ALMACREATIONSの社主を務める。


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