賢い皮膚 思考する最大の〈臓器〉 傳田光洋著
皮膚は立派な臓器だとし、大胆な仮説を提唱している。皮膚は身体と環境との境界を形成することから、触覚刺激、温度刺激、湿度刺激などの外部情報が入力される。ヒトが体毛を失った唯一の霊長類となったのは、この皮膚感覚を高めて環境との接触において高度な機能を獲得するためだったと著者は考える。そして無毛化によって衣服をまとう必要性が高くなり、高次社会組織構築の一因になったのではないかとも論じている。
皮膚の研究は、皮膚の感受性や全身、心への作用など想像以上に広がっている。皮膚科学の研究者である著者が、不思議な現象に満ちている人間の皮膚のさまざまな役割を、最新の研究成果を交えて解説する。
ちくま新書 756円
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