東大発のペプチドリームが切り開いた新境地

日本ベンチャー大賞受賞企業の横顔

受賞企業の代表者、審査員が首相を囲んで記念撮影

サービスの利用者が遺伝子解析キットに唾液を採取して送付すると、同社がそのサンプルの約30万カ所の遺伝子情報を解析し、その中から疾患リスクや遺伝的体質などの情報を提供します。日本初の一般消費者向けの本格的な遺伝子解析サービスとなっています。

遺伝子検査を受けた人から得られる遺伝子情報を、独自のデータベースとして蓄積。製薬会社、食品会社、化粧品会社に匿名化データベースとして提供し、新薬開発、オーダーメード医療に活用しています。高橋社長は、研究とビジネスを結び付けることで、多くの人に正しい遺伝子の知識を提供し、遺伝子研究成果の恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。

応募のあったベンチャーの中で、審査委員会において特に優秀と認められたベンチャーには審査委員会特別賞が授与されました。今年は大企業内で新規事業に取り組むイントラプレナー(社内起業家)も表彰しています。

○グローバル展開賞
<メルカリ 山田進太郎社長>
服や小物から家具まで、個人間で簡単かつ安全にモノを売買し、「循環型の新しい消費スタイル」を提供するフリーマーケットアプリ「メルカリ」を展開。日本ベンチャーのグローバル展開の先駆けとして、米国でも実績をあげ、日米で3100万ダウンロードを超える利用。
○社会課題解決賞
<すららネット 湯野川孝彦社長>
低学力の生徒や、発達障がいの生徒でも自分に合ったスピードで楽しく学習できる「対話型」eラーニング「すらら」を提供。教育格差や所得格差の問題の解決を図る。2015年からはスリランカのスラム地区においてeラーニングのみで算数を学ぶJuku事業を展開。
○イントラプレナー賞
<ソニー 新規事業創出部担当部長 小田島伸至氏>
草の根プロジェクトとして始めたソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)を、社長直轄事業に育て上げ全社展開。領域の垣根、会社の垣根を越えた技術・才能の連携を促進し、柄が変わる時計「FES WATCH」、スマートロックの「Qrio」など多数の事業化を実現。

「残念だったのは、大企業として表彰されたこと」

首相官邸での表彰式において、安倍首相は受賞者や関係者を前に次のように語りました。

「ベンチャー企業が、技術、アイディア、人材を最大限に活用し、新たなフロンティアに果敢にチャレンジすることで、既存企業や地域を巻き込んだイノベーションが花開きます。産業の変革の旗手たるベンチャー企業が次々と生まれ、世界をリードする新産業が作り出されれば、経済の好循環は力強く回転します。受賞者の皆さんが新しい力となり、日本が『起業大国』として、世界の中心で輝く国となることを期待しています」

2年目を迎えた日本ベンチャー大賞。今年も素晴らしい企業が選ばれました。大企業・ベンチャー連携賞で表彰されたDeNAの守安功社長は、受賞セレモニーで次のように語り満員の会場を沸かせました。

「栄えある賞を頂いてうれしいのですが、少し残念だったのは、大企業として表彰されたこと。永久ベンチャーのDeNAとしては、ベンチャーの側で表彰されるようこれからも頑張っていきます」

起業家だけでなく大企業を含めた挑戦は加速しています。日本が「起業大国」になる動きは着実に進んでいると思います。

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