苦戦中ヒラリーが支持されない根本的な理由

民主指名争いでサンダースに押され気味

ラスベガスでの集会で演説するヒラリー・クリントン候補 (写真: ロイター/David Becker)

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ヒラリー・クリントンであることは、世界で最も有名な女性の一人で、米政界の数々の要職を兼ね、次期米大統領候補であることよりも、大きな苦痛を伴う。1年前には民主党指名候補者の本命と広く目されながら、彼女は考え得るどのようなものよりも、はるかに厳しい苦闘に直面した。

しかし、クリントンが直面している問題の大半は、彼女がバラク・オバマと大統領選を争った2008年には予測可能であり、その予兆もあった。その他は彼女自身が招いたものだ。

政治的感覚の乏しさ

一例を挙げると、彼女は単純に、とても良い政治家ではない。クリントンは自身の選挙運動を二度立ち上げた唯一の人物として知られている(最初の試みはアイオワで、そこで彼女は非公開の会議を開き約8人と話し合ったが、あまりうまくいかなかった)。この印象的で本当に知的な女性は、最高レベルで求められる政治的感覚を全く持っていなかったのだ。

米大統領として政治的に成功するには卓越した直感力、変わり身の速さ、そして何よりも、出馬する強い理論的根拠が必要だ。確かに、クリントンは大統領になったら推し進めるという数々のプログラムを提供した。しかし、ウィンストン・チャーチルの言葉を借りれば、彼女の焼き菓子にはテーマがない。彼女が発するメッセージと彼女自身が最も近いと感じられるのは、人々を高揚させるようなものではないが、「私は前進的であり、物事を実行できる人間だ」ということだ。

対照的に、バーニー・サンダースはとても手ごわい競争相手となった。国民皆保険制度の導入と公立大学の授業料無料化という公約は非現実的ではあるが特に若年層に人気が高く、彼らはクリントンよりもサンダースを圧倒的に支持している。彼女のメッセージは漸進的なもので、大きな夢ばかり語るな、といったものだ。サンダースは政治改革を説いている。

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