アベノミクスは最後の正念場を迎えている

GPIFの運用実績が政権にとって懸念材料に

アベノミクスの目玉であるGPIF改革。運用実績の大幅赤字は政権としては避けたいところ(写真:ロイター/アフロ)

公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が昨年11月30日に発表した2015年7-9月期の運用実績は、7兆8899億円の赤字だったことは記憶に新しい。株式を見ると、国内株が4兆3154億円、外国株が3兆6552億円のそれぞれ赤字だった。この時、9月末の日経平均は1万7388円。その後、株価は回復し12月1日には2万円を超えたので、明日発表される10-12月期の運用実績はかなりのプラスとなっていよう。しかし1-3月期はどうだろうか。

12月末の日経平均は1万9033円だったが、このまま1万6000円前後でいると、上記7-9月期実績(6月末2万0235円、9月末1万7388円)に匹敵する損失が出る。そしてそれは夏の参議院選挙直前の5月末に発表される。
GPIF改革はアベノミクスの目玉であり、バイ・マイ・アベノミクスと高らかにうたった目に見える象徴だったはず。政権側としては選挙前のこの事実だけは何としても避けなければならない。そのためには、予算案を早く通して身軽になり、日銀だけに頼っている景気対策をバックアップしたいはずだ。

世界のマーケットに春は訪れるのか

予算は、衆議院の可決後、参議院が30日以内に議決しないと衆議院の議決が国会の議決となり、自然成立する30日ルールがある。衆参のねじれが解消している現在では必要は無いかもしれないが、早期成立には今週3月1日には参議院に送りたいところだ。

世界経済の不透明材料に翻弄されてきた日本株。そろそろ政府主導の市場を取り戻して、有利な選挙戦を展開したいはずだ。いろいろな意味で、今週はアベノミクス後半の、最初で最後の正念場になるかも知れない。
不安の中で相場の芽は育つと言われる。先週木曜日から受け渡しベースでは3月相場が始まっている。3月相場を我々は春相場と呼ぶ。まだ凍える寒さの中で、新芽はゆっくり太さを増している。

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