株式会社インスパイア代表取締役・高槻亮輔(Part3)--ゼロから事業を興すタイプではありません

--プロの経営者として1社でやってくださいと言われたらどうしますか。

内容にもよりますが、雇われ社長や雇われ経営者というのはアリですね。プロ経営者のマーケットは今後もう少し大きくなると思います。名古屋の有名企業が、グループ企業で経営者が足りなくなって役員候補の人材募集をしたと聞きました。この手の話はもっと起きるのではないでしょうか。

一般の日本型企業ですと、もともといる人が順調に出世して役員になるケースが多いですが、役員や社長には向き不向きがあります。自分が社長に向いていると思っても、そうでない場合がよくあります。できれば早い段階から向き不向きが見極められていて、経験も積んでいる人のほうがいいのではないかと思いますね。

--たとえば今、ソニーの社長をやってくれと言われたら、まずどんな手を打ちますか(笑)。

金融部門を連結から切り離し、連結のバランスシートをモノ作り会社に近い形にします。エンジニアのやる気を出させるためにロボット事業を儲からなくても復活させますね。本来のソニーは、エンタメではなくモノ作り企業だと思っていますから。

ソニーと一緒に仕事をした際に驚いたのですが、あるエンジニアの方が、携帯電話にある小さな部品を組み込むという話をした際、携帯電話を水に投げ入れたんですよ。出てきた泡を集めて容量を図り、「この容量の部品にすれば機能を損なわずに絶対組み込めます」って言うんです(笑)。

ソニーの世界最小・最速などのモノ作り魂は本当にすごいですよ。

--経営者として、ご自身の強みと弱みは何だと思いますか。

強みは、事業と金融は表裏一体だという感覚が刷り込まれている点です。事業は必ずおカネが必要ですし、黒字でもファイナンスは重要ですからね。

ただ、僕はゼロから事業を興すタイプではありません。ある程度始まっているものをどう拡大させるかというときに強いです。

弱みは、ボーダーレスな世の中になったのに海外生活経験がないこと。今の立場でなければ1年くらいどこか海外へ行きたいですね。

--優秀な経営者の方は、自分はゼロから事業を手がける起業家タイプではないと皆さんそろっておっしゃいます。経営者を目指している人にとって参考になるお話ですね。

(写真:尾形文繁)

たかつき・りょうすけ
 1995年、慶應義塾大学経済学部を卒業、日本興業銀行入行。コーポレートファイナンスや審査部を経て、2001年インターネット総合研究所に入社。企業買収・事業投資を実践した手腕を買われて、同年インスパイアに入社。創業者の成毛眞氏に「若さを生かした柔軟性と機動力を併せ持ち、混沌とした経済環境の中に、一石を投じながら勝ち抜いていく最適な布陣」「永きにわたり私を支えてきた優秀な番頭」と言わしめ、08年に代表取締役社長に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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