株式会社インスパイア代表取締役・高槻亮輔(Part2)--ディティールが描けて、具体的な将来像が映像的に見えている経営者は伸びる

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株式会社インスパイア代表取締役・高槻亮輔(Part2)--ディティールが描けて、具体的な将来像が映像的に見えている経営者は伸びる

■CEOへの道は、職業としての”社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--ITバブルの際、ネット系の会社は身の丈に合わない資金調達をしてしまいました。求められる右肩上がりのポートフォリオがあるため無理矢理M&Aを行ったり、使い道がなく金融などの事業に投資をしたりして、惨憺たる結果を招いた会社もあります。当時の状況をどうお考えですか。

IRIにいた立場でいうと、株主に約束したことはちゃんと実行するということはつねに意識していました。ただ、おっしゃるようなネット系の会社の件は、金融側がオーバーシュートしたところもあると思っています。僕の中で金融がいやなものになっていったきっかけともなりました。

そもそも僕は、金融は事業をうまく回していくための裏側の世界であり、銀行がおカネを貸したから事業が成立したというようなこととは違うと常々思っていました。事業ありきで貸金や資本をサポートしたいという意識がより鮮明になりましたね。

--非金融というスタンスが確立されていく中で、IRIをわずか半年で辞めています。何かあったのですか。

土日のプライベートな時間にはIRIの仕事を手伝うという時期が半年くらいあったので、トータルで1年くらいIRIの業務に携わっていたことになります。その間に大掛かり、かつ意味のあるM&Aをやってひととおり成果を上げました。そんなときインスパイアの創業者である成毛眞(現取締役ファウンダー)と出会ったんですよ。

当時、インスパイアは投資案件先の資金調達にかかわるアドバイザーという立場でした。北米に現物出資で新会社を設立するので、そこにキャッシュで出資をしないかという案件でしたので、現物出資評価額が低くなるように厳しい交渉をしていたのですが、成毛は突然「飲みに行きませんか」とメールを寄越してきたんです。おかしいなと思って周囲に相談しましたが、「面白い人だから大丈夫だよ」と言われたんで行ってみたんですよね。

実際会ってみて、いっさい案件の話をしない。成毛を配慮がある人だなと思いましたし、案件以外の話で大いに盛り上がりました。

--意気投合したことがきっかけでインスパイアに移られたというわけですか。

一緒に飲んだとき、「何をやろうと思ってるの」と聞かれました。「事業ありきの金融をやりたい」というようなことを話したら、「それならうちでやれ」という話になったんです。

後日、IRIの所長だった藤原さんを交えて3人で話し合い、先の親友もろともインスパイアに移ることにしました。そもそも藤原さんと成毛はアスキー時代からの知り合いですし、移っても一緒に仕事はできるよねという軽いノリで平和裏に決まったことなんですよ。

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