韓国が恐れる「チャイワン」で、台湾経済の浮上はなるか

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馬英九政権がこのように中国との経済関係を進めるのも、台湾経済が不況にあえぎ、いまだ回復の兆しがはっきりしないためだ。特に、2008年央からの世界不況による台湾経済の落ち込みは他国と比べると目立つ。08年7~9月期の台湾の実質GDP成長率は前年比でマイナス1.0%と水面下に転落。さらに同年10~12月期にはマイナス8.6%、09年1~3月期にはマイナス10.2%とさらに落ち込んだ。これは09年1~3月の韓国のマイナス4.2%、香港のマイナス7.8%、シンガポールのマイナス10.1%と比べても、台湾の低迷ぶりが際だつのだ。

■台湾の実質GDP成長率(前年比、%)

 

中国との経済交流を進めることは、馬英九総統が総統選挙当時からの主要公約の一つでもある。底ばう台湾経済浮上の起爆剤として「大陸を利用しない手はない」という彼自身の考えからだ。

09年5月の就任1年間で、(1)中国人観光客の受け入れ拡大や、(2)対中投資累計額の上限規制の緩和、(3)中台間の航空旅客便の直航拡大、(4)同航空貨物便の直航拡充や同海運貨物便の直航解禁などを相次いで実施してきた。

6月30日には製造業64分野、サービス業25分野など100分野について、中国から台湾への直接投資を解禁。1949年の中華人民共和国建国以来初めて、大陸資本の台湾投資を認めるまでに至った。

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