韓国が恐れる「チャイワン」で、台湾経済の浮上はなるか

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というのも、「“家電下郷”として進めている中国政府の内需刺激策の結果、市民の購買欲の多くがテレビ購入に向かい、中国企業が部品確保に走っていることが第一。また、液晶パネルを製造する日本、韓国、台湾企業のうち、台湾企業の製品の価格が安いことが要因だ。ある程度の品質を持ち、安く調達できるなら台湾製品を買うのは自然なことではないか」と言う。

一方で、中台間の経済交流が深化しているのも確かだ。09年5月26日、中国の胡錦涛国家主席と台湾の呉伯雄・国民党主席が会談したが、この場で関税撤廃を主軸とした経済協力構築協定(ECFA)を来2010年の早い段階で妥結することで合意した。ECFAとは自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)と同様なもので、中国はすでに香港と「経済貿易緊密化協定」(CEPA)を2003年に結んでいる。香港の前例をもって、台湾でも同様なスキームで経済交流を深めようというものだ。また、中国は同じ5月に、建国以来初めてとなる大規模な“買い付け団”を台湾に派遣、今年9月までに総額100億ドルの台湾製品を購入することを明らかにしている。

■「チャイワン」によるビジネスチャンス推定額

(資料)台湾「金融家月刊」2009年7月号。
(単位)台湾ドル、1台湾ドル=約3円。

 チャイワンによるビジネスチャンスの規模は6.8兆台湾ドル(約20兆円)。これにはエネルギー再生事業が6.2兆円と大部分を占めるが、3G携帯電話市場で3000億台湾ドル(約9000億円)、液晶テレビ関連で1400億台湾ドル(約4200億円)、自動車部品で240億台湾ドル(約720億円)。世界的な景気低迷が続くなか、この市場規模はかなり際だつ。 

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