グーグルが敷くフェイスブック包囲網の実態

メディア戦略での独り勝ちを警戒

フェイスブックは、インスタント記事(Instant Articles)が「モバイルウェブの記事より10倍速く読み込まれる」と謳い、サービスを全世界に拡大した。遅れをとったグーグルはTwitter、Pinterest、LinkedInのほか、フェイスブック以外のさまざまなステークホルダーと協調。AMPでフェイスブックの「独り占め」を猛追している。全世界の主要パブリッシャーがプロジェクトに参加しており、日本からは朝日新聞、日刊スポーツ、シネマトゥデイなどが参加している。

AMPで構築されたモバイルサイト例(グーグルの10月時の発表より)

2. ペイウォールで定額制が可能に:リード?

グーグルはAMPでパブリッシャー(媒体社)がペイウォールを築くことができるようになったと発表している。媒体社にとって収益源が広告のみとなるインスタント記事との差別化要因になるだろうか。

AMP公式ブログによると、すべてのペイウォールが独特であり、似ていないという問題があった。媒体ごとに認証、ユーザー管理、アクセスコントロールのシステムが異なる。決済、サブスクリプション、サインインの構築方法などもバラバラで、共通の仕組みが欠如していることによって、AMPが各媒体のニーズに応えることを難しくしていた。

デジタル媒体にとって、広告収入が紙媒体・テレビなどに比べ、心もとない現状を鑑みると、ペイウォールの可否は死活的な問題だ。ペイウォールの導入自体も当初は失敗例が積み上げられたが、2015年8月に「ニューヨーク・タイムズ」がデジタル版の有料購読者数100万人を越すことに成功したことは、大きなベンチマークになった。

ネット内の情報が指数関数的な増加を示すなか、消費者の間で高品質な情報に対し、料金を支払うことに合意ができつつあるようだ。また高度な分析を加えたインテリジェンス情報でより高額の購読料を課す形式も育ちつつある。

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