グーグルが敷くフェイスブック包囲網の実態 メディア戦略での独り勝ちを警戒

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ラマスワミ氏はデバイス、プラットフォームに断片化された体験に触れ、広告主の関心が、広告をクロススクリーン、クロスプラットフォーム、クロスデバイスで、各フォーマットにうまくフィットさせることにあると指摘した(AMPでは広告のサイズが可変性を持つよう設計されている)。さまざまなサイズにフィットする広告プラットフォームを整備すれば、グーグルディスプレイネットワークがスマートフォン、タブレット、デスクトップとクロスデバイスで機能するようになる。

ラマスワミ氏が提唱するモーメントの捕捉やモバイル体験の向上は、検索、ディスプレイ広告というグーグルのエコシステムを強化することにもつながる。

5. 全世界を巻き込んだウォールドガーデン競争

グーグルの動きには、フェイスブックが大きく関係しているだろう。情報消費において、フェイスブックのニュースフィードの存在感は日増しに大きくなっている。BuzzFeedのようにフェイスブックに重みを付け、グローバル規模の流通網を整備しているメディアもあるほどだ。

フェイスブックは今後インターネットが成長する新興国に「先張り」する姿勢が鮮明だ。インスタント記事は今年1月に日本でのローンチを発表し、アジアの主要な国でのサービスを開始している。低所得国向けにフェイスブックなどのアプリを通信料無料で利用できるプロジェクトである「フリーベーシック」には、フェイスブックをネット体験のデフォルトにする人々を増やそうという狙いがのぞく。マネタイズから遠くライバルが敬遠する低所得国に先張りし、グーグルやアップルのウォールド・ガーデン(壁に囲まれた庭)を真似ようとしているかもしれない。

グーグルもアグレッシブな取り組みをしている。AMP導入は「絶対」かもしれない。米広告業界誌アドエイジ(Adage)によるとグーグルのニュース担当シニアディレクター、リチャード・ジングラス氏は「我々は明確にスピードに重点を置いている。AMPによるサイトだから、検索順位が大きく押し上げられるということではない」「ふたつの記事が速度以外でまったく同じのスコアである場合、我々は速度に重きをおくことになる。読み込み時間はユーザーが重要だと考えるからだ」と語っている。ページランクがロード時間に必ずしも、すべての重きを置くわけではないが、重要な項目のひとつになるととれる。しかし、検索順位に及ぼす影響については、状況をみなければいけないが、あるレベルを超えるならば、媒体社の雪崩が起きるだろう。

(文:吉田拓史)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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