アップバンク、見えない「横領疑惑」の真相

意気消沈の宮下社長、饒舌だった廣瀬CFO

――不正送金の発覚経緯と時期について説明してほしい。

廣瀬:すでに調査報告書で開示したとおり。昨年11月末に上場したということもあり、創業後初めて税務調査が入った。税務署からある取引について、照会があって調べたとき、そういった実態があることが発覚した。これまで開示で説明したとおりの内容だ。

――不正に関する追加調査費用は発生するのか。

廣瀬:調査報告書で開示しているとおり、調査委員会と10人以上の補助者を使って網羅性を確保し、客観的に専門家の調査を終えた。われわれとしてはいち早い市場への説明と不安の払拭に努めるべく、必要なコストをかけて調査を行った。今回計上した費用(1616万円)でいったん、完結している。追加の費用が発生するような状況にない。

――元役員に対する刑事告訴の状況は?

廣瀬:告訴は、届け出をして受理されて、初めて成立する。上場している以上は発生基準で報告する。告訴が受理されれば、開示をしたい。現在は手続きを進めている状況だ。

繰り返される「調査報告書にあるとおり」という台詞

新宿にあるスマホ関連グッズなどを販売する自社店舗

――上場する前に、監査法人や証券会社から、こうした問題に関する指摘はなかったのか。

廣瀬:調査報告書で関係した監査法人や証券会社を含めて、どういう状況であったか、説明したとおり。そちらを参照してほしい。

――元役員は、なぜ1カ月で退任したのか。

廣瀬:特に不自然なことはなかった。個人的な事情の中で、そのような結果になった。一身上の都合なので詳細は差し控える。

――不正送金の金額1.4億円についてはどのような修正をしたのか。

廣瀬:本日開示した「過年度に係る決算短信等(一部訂正)の公表について」を見てほしい。複雑な処理はない。不正送金された金額を、送金日ベースで長期の未収入金を計上、同時に貸倒引当金を積んでいる状況だ。

IR担当者:少し補足する。もともと不正送金は外注費で行われていた。外注費は発生ベースで計上し、2カ月後に送金していた。今回は架空外注費ということが判明した。監査法人と相談の上で、外注費は取り消すが、2カ月後の送金日の時点で長期貸付金を計上することにした。

――昨年10月に「業務関連データの外部流出について」という発表を行っているが、これと不正送金は関係ないのか。

廣瀬:特別そういったことはない。本件については今も調査中だ。

――元役員は誰に恐喝されて、多額のカネを支払ったのか。

廣瀬:調査委員会と専門の補助者が聞き取り調査をした中で、元役員がどんなことを言ったとか、資金使途について聞いたらこう答えたという事実が(調査報告書の)サマリーとして記載されている。これは100時間以上というかなりの時間をかけて、聞き取りをしたものだ。

われわれは、直接聞き取りをした立場にないことをご理解いただきたい。調査報告書は専門家が客観的見解と必要十分な調査に基づいてまとめたもの。どちらも、捜査権がない任意の組織なので、司法の場に委ねてきちんと調べたほうがよいと考えている。

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