アップバンク、見えない「横領疑惑」の真相 意気消沈の宮下社長、饒舌だった廣瀬CFO

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――横領罪は親告罪(※告訴がなければ裁判をすることができない犯罪のこと)ではない。捜査機関は告訴がなくても捜査できる。聞きたいのは、元役員が誰に恐喝されたのか、会社が知っているかどうかだ。

廣瀬:(※元役員の話の)内容に具体性がないので、どこの誰なのかまったくわからない。

――反社会的勢力に資金は流れていないことは確認できていない、ということでよいのか。

廣瀬:調査報告書を受け取るときに、専門家から意見はもらっている。そのときに(※元役員の話が)具体性のない内容だったことも含めて、捜査機関に任せたほうがよいのではないか。とにかく告訴を急ぐ。

――確認はできていないのか。

廣瀬:それは捜査機関のほうに確認してもらうのが良い。

――確認できていないのに、なぜ適時開示(※2月8日の「一部メディアの記事について」)で、反社会的勢力との関わりは一切ないと否定しているのか。

廣瀬:当社は反社会的勢力とのかかわりは一切ない。反社チェック等々は、上場準備中から現時点の取引先、役職員一同、身辺調査として、フローとして構築して運用している。そのような情報はなく、問題ないと理解している。 

「株主に対しては申し訳なく思っている」

会見の一問一答はほとんど廣瀬CFOが担当した

――元役員個人としてかかわっていた可能性はあるが、会社としてかかわりがないという理解でよいか。

廣瀬:もちろんかかわりはない。今回の彼が急に証言してきた内容が、どのくらい事実性があるのかは評価のしようがない。

――元役員は反社チェックの対象に含まれていたのか。

廣瀬:含まれている。それをしないと(上場)審査に通らない。役職員・親族を含めて反社チェックをやって、内容を報告しなければならない。取引調査、口座開設もそう。基準に照らし合わせて運用している。その中では一切問題がなかった。

上場を志した段階から、重要なポジションにいる人間については親族も含めて調査はしている。その中で問題のある人間はいなかった。そこは徹底している。

――宮下社長に聞きたい。上場直後からトラブルが続いているが、どう考えるのか。

宮下:反省すべき点はたくさんあるし、その分強くなれる点もたくさんある。会社をもっと良くしていくために自分に与えられた試練だと思って、ポジティブにとらえている。

――「与えられた試練」という気持ちはわからなくもないが、だったら非公開会社として試練を乗り切っていただきたい。上場会社なので、株主に対してはどう考えるのか。

宮下:主語を自分にしたのは良くなかった。株主に対して、こういう情報を出して残念な気持ちにさせてしまったことについては、申し訳なく思っている。事件があったときに会社としてしっかり対応をすることで、アップバンクという会社をもっと強くするというメッセージを出していきたい。

これはこれでしっかり向き合っていきたいというのはある。同じぐらい強い気持ちで、業績で応えていきたいと思っている。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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