あの「お気楽」上司が成果を出し続けるワケ 優れたリーダーはいつも「力まず、ゆるい」
解説Ⅰ 御神輿と馬車
管理者のイメージは、馬車の馭者にも、御神輿の乗り手にもたとえることができます。馭者であれば、馬に鞭を当てて向かうべき方向に走らせるイメージ。御神輿に乗るのなら、部下が動く方向づけをし、部下のリズムに乗るイメージ。宇貝課長は馭者のようです。
馭者の場合、走るエネルギーに鞭のストレスが加わりますから、馬の疲れは倍増。指示待ちになります。御輿にリズムよく乗ってくれれば、消費するのは走るエネルギーだけです。どちらが疲れるかは一目瞭然です。管理者が御輿に乗れば、疲れにくい担ぎ方を部下が考えてくれるはずです。御輿に乗ることを思い浮かべると、職場の全員がPDCAサイクルを回すイメージが湧きます。管理者が頑張る必要はなくなります。
上司の力みすぎると部下は育たない
宇貝の悩み②:気楽な部長がうらやましい
宇貝:そういえば、うちの山田部長は、あまり仕事のことを言いません。
中嶋:だから君が真剣に仕事を考えるだろう。部長が細かい指示をすれば、君はそれに合わせるだけ。君は必死に考えはしないだろう。
宇貝:そんなことはありません。考えますよ。
中嶋:考えることを手抜きすると思うよ。上司が細かくチェックして指示すると、部下は考えなくなるんだよ。
宇貝:そうですかねぇ~。中嶋先輩の言い方だと、山田部長のほうがいいみたいですね。気楽な部長がうらやましい。
解説Ⅱ 上司の力みは遮眼帯
責任を持ちすぎる上司は、部下に細かく報告を求め、指示しがちです。その場合、部下は上司の手足。労力は必要ですが、自ら考え、リスクを冒す必要はありません。文句を言いながらも、その指示に従います。その結果、部下の考えは浅いまま。広がりも深みも進歩しません。責任を持ちすぎる上司の力みが、部下の考えを大きく制約するわけです。逆に、細かな指示がなければ、部下は自分で考えざるを得ません。ぼやきながらも自分で考えます。つまり、自律的に考える力が育っていくのです。
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