公立躍進校ルポ-大阪府立 大手前高校、東京の生活情報も与え、地元志向を見直させる《本当に強い中高一貫校》

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 「もっと東京に目を向けさせてもいいのでは」--。

大阪府立大手前高校(大阪市)が、進学指導の新しい方針を打ち出したのは3年前。同校はもともと、同じ大阪府立の北野や天王寺と肩を並べるトップ進学校だが、在校生の志望先の多くが関西中心だった。「東大よりも京大」と、文句なく地元の大学を選ぶ生徒が多かったという。

それが悪いわけでは決してなかった。しかし、戸田徹教頭は、「京都大合格者の成績を見ると、トップクラスが多いことに気づいた」と言う。それなら、わが高の生徒も堂々と東大を目指せるのではないか、と。

生徒の目を東京にも向けさせた結果、これまで年0~2名程度にすぎなかった東大合格者数が、09年度は一気に7人に急増した。増えたのは東大だけではない。京大合格者数も前年比10人増、5年前比では実に24人増となる38人に躍進していた。

学部・学科を調べさせ体験学習で動機づける

やみくもに「東大を狙え」と受けさせたわけではない。関西志向が強い生徒はそれだけでは動かない。同校の野口俊一先生は「生徒に進学先を深く考えさせる情報を与えようと思いついた」と振り返る。

そこで取り組んだのが、大学進学への動機づけをはっきりさせるための“仕掛け”づくりだ。それが本格化するのは1年生の秋から。まず生徒たちに大学の各学部・学科とはどういうものなのかを調査させる。たとえばある生徒に「文学部」を調べさせるとすると、いったいどんな学部で、何が勉強できるのか、その学部で学んだことは将来どう生かせるのか。そこまで徹底して調べさせ、報告させるというものだ。

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