急増する公立中高一貫校、広がる選択肢、魅力は学費の安さ!《本当に強い中高一貫校》 

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 千代田区立九段中等教育学校(東京都千代田区)の高木克(まさる)校長も「自分で身の回りのことができない、叱られても謝れない子供が多い。そこをきちんとできれば学習活動は改善する」と、学校生活を重視する。チャイムを鳴らさずに、始業5分前着席することで「授業への心構え」を求め、生徒の自立を促す。ボランティア、福祉体験など人間性育成の活動も多く取り入れている。

高木校長の持論は「教育は生徒の支援」だ。九段では、普通の公立校の10倍ともいわれる区からの潤沢な予算面でのサポートを受けて、生徒のやる気に応える多彩な支援プログラムを取りそろえる。

私立との授業時間数の差を埋めようと、大手予備校講師の英数各90分授業を受ける土曜予備校講座は年間7500円の負担という料金設定で、前期課程(中学)全員が参加。後期(高校)課程では、学校のパソコンを使って予備校の衛星授業を受けられるサテライト講座(無料)を用意。予備校も活用した体制を作る。

キャリア教育で大学進学を意識

進路指導は、偏差値に合わせた大学選びから、やりたいことを実現するための進学に変わりつつある。浜松西は、昨年の中高一貫第1期、今年の第2期の卒業生の進学先に加え、どんな職業に就きたいか、何を学びたいかといった生徒の希望も記した進学先マップを作成した。小出和美副校長は「昔は難関国立大合格者数を競って進路指導することもあったが、今は違ってきた」と話す。

総合的な学習は、課題を探し、調査方法を決め、調べる中で、自主的な学びの姿勢を育てる。しかし、これは、受験よりも大学生、社会人になったときを見越してのものだ。多くの公立一貫校は、私立校で生徒のモチベーション維持・向上に効果を上げたキャリア教育の要素を総合的な学習に織り込み、仕事や大学の研究について調べ、将来の夢、追究したいテーマを見つけさせようとしている。

九州初の公立中高一貫校としてスタートした佐賀県立致遠館中学・高校(佐賀市)も「生徒が行ける大学より、行きたい大学を選ぶようになり、進学先も全国的に広がった」(古川伊左夫校長)と言う。

だが、競合する私立が少ない地方では、公立一貫校は進学実績も求められる。致遠館では、中学2年で進路指導を始め、中学3年では理数科志望、人文コース志望に分けて、将来の希望、受験を早くから意識させ、成果を上げている。

浜松西の学校経営計画には「難関国公立大への合格30人以上を目指す」とある。小出副校長は「やはり結果がついてこないと評価されませんから」と説明する。


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