AKB48はオワコンか?転機の世代交代 高橋みなみが今語る「アイドルの王道」

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「一緒に歩んで行くスタイル」が横山流と先輩に言われ、照れる新・総監督の横山氏(1列目中央、撮影:筆者)

最後はまもなくAKB48を去る、高橋氏の思いを聞いておこう。

──AKB48に残された課題とは。総合プロデューサーの秋元康氏は何を考えていると思うか。

課題は言い続けている「世代交代」。グループの一番の壁だなと思う。外見的には、新しく入ってくる若い世代は、本当にかわいい。私たちが入ったときのパンフを見てください。イモですよ(笑)。去年、公式ライバルの乃木坂46の勢いがすごかったのですが、AKB48も私たちの世代のように(冒険好きな)少年マンガ的なキャラより、少女マンガ的な容姿端麗が好まれる時代が来ているんだろうな、と。

私たちは大きくなった分、チャレンジしづらくなっています。今は(国内トップ女子アイドルグループの体面を)守りつつやらなければいけない。ここが難しいです。プライドって実はすごく邪魔なもので、メンバー、スタッフの可能性を狭めてしまう。「今のAKBだからこれはできない」じゃなくて、「今のAKBだから(逆に)これやったらおもしろいじゃん」という発想になってほしいですね。それこそ、しのぶさん(総支配人)が言う“商店街”のように。新しいAKBとして何かが始まってくれることに期待しています。

秋元さんは無邪気な子ども(笑)。予定調和が大嫌いで、「期待を裏切ってやろう」とは思っているでしょう。

「週刊東洋経済」2016年1月30日号<25日発売>「核心リポート05」に加筆)

竹内 一晴 ジャーナリスト

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たけうち かずはる / Kazuharu Takeuchi

1970年名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大手芸能事務所、CS演劇専門放送局プロデューサー、写真週刊誌専属記者等を経て2004年からフリー。報道・表現の自由、大学自治、韓国社会事情、カラオケ、アイドル等の記事を執筆。田島泰彦編『個人情報保護法と人権―プライバシーと表現の自由をどう守るか』に論稿掲載。48グループの推しメンは松井珠理奈(SKE48)、注目株は山田菜々美(AKB48・Team8)だが、全メンバーを公平に見ることをモットーとする。

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