AKB48はオワコンか?転機の世代交代 高橋みなみが今語る「アイドルの王道」

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AKB48はオリコンの歴代シングル売り上げでアーティストの首位に立った。2015年12月、都内ホテルでの10周年記念イベントで(提供:AKS)

──その考えは福澤諭吉の名言「一身独立して一国独立す」とほぼ同じ意味だと思うが、この言葉は知っていたか。

全然知りませんでした(笑)。でも名言や格言が好きで、寝る前にネットで検索して読んでいます。オバマ大統領やアップルのスティーブ・ジョブズの演説のDVDを見るのもワクワクする。間の使い方、動き一つにしても、無駄がない。実践できる場が私にはあったので取り入れてみました。ジョブズの"Stay hungry, stay foolish"は大好きな言葉です。

「彼女のリーダー論でおもしろいのは、自分は『つなぎ役』だと言っていること」。こう言うのは高橋氏を「推しメン」として応援し、政治家になることを勧める田原総一朗氏だ。高橋氏はAKBの総合プロデューサーである秋元康氏、スタッフ、メンバーの間をつなぎ、悩んでいるメンバーの相談にも乗る。「(メンバーに)答えを言うんじゃなくて、一緒に悩んであげるという高橋さんの気持ちがとてもいいと思った。『総監督』としてうまくいった最大の理由ではないか」と分析する。

「彼女は人をつなげ、理解し、説得もできる。人から信頼もされる。政治家にいちばん大事なのは信頼関係だ」という田原氏は、高橋氏の政治家としての資質に太鼓判を押す。高橋氏が政治家転身をきっぱりと否定したことを告げると、次のように推測した。「それは各政党から来ている誘いをストップさせたいから。当面は歌手活動するのがいいと私も思う。だが、彼女はあらゆることに対して好奇心がとても強い人。政治家のような仕事に興味がないわけがない」

”AKB商法”批判に答える

「会いに行けるアイドル」がコンセプトのAKB48はファンとの近さが身上。ほぼ毎日、秋葉原の専用劇場(250人収容)で行う公演と握手会は、活動の両輪だ。が、同封の握手券をCDの販促に利用する“AKB商法”には、批判の声も聞かれる。

──2014年には刃物を持った男による、握手会への襲撃事件が発生。メンバーら3人が負傷してしまった。

あのとき「(AKBは)終わった」と思いました。犯人はファンの人でなかったのですが、そんな人の奇行で一瞬にしてもろくも崩れるんだなと。あれ以上の(悪い)ことはたぶんないでしょう。ファンの皆さんと積み上げた、信頼関係で成り立っていたものが、一瞬で否定されたのは、すごく悔しかった。(安全対策強化で再開できるまでに)よく戻ったなと思います。

──握手券や総選挙の投票権を手にしたいファンが、同じCDを何枚も買ってしまうことを、どう思っているか。

説明の難しいことではありますが、私は応援してくださるファンの“熱量”だと思っています。リアルに会って交流してきたからこそ、生まれた摩擦(熱)です。ファンの方を大切にし、何百回、何千回もの交流をやってきた。(よく会うファンの)名前も性格も悩みもわかる。家族や友達のようにお互い応援し合ってきました。そういう「握手」を私たちが本気でしてきたのは事実です。

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