国際ビジネスブレイン代表取締役・新将命(Part5・最終回)--自分の姿について短期と長期のビジョンを描くことが大事

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--閉塞感のある組織を抜け出したくても、不景気で転職が難しいという現実があります。今後のキャリアについて悩む人にアドバイスをお願いします。

3年後、5年後の自分はどうありたいか、自分の姿についても短期と長期のビジョンを描くことです。シェル石油から日本コカ・コーラへ移った32歳のとき、「45歳までに社長になる」という長期計画を立てました。50歳を過ぎると薹が立ってしまうので待てないけれど、38歳くらいも年齢を重視する日本では認められないだろうと思い、間をとって45歳を目標にしたのです。

次に、社長にとって必要な能力や資質を紙に書き出しました。14条件出てきたのですが、そのうち「体力」と「英語」以外は不合格でした。残りの条件をクリアするため、毎年計画的に勉強し、パワープレイで45歳で社長になったのです。ゆくゆく自分がこうなりたいという姿を設定し、実現するためにはどういう条件が必要だろうかと考えることです。なりたい自分と今の自分のギャップを埋める「自己啓発」という作業が大事です。

--転職する際の年収についてはどうお考えですか。

年収が目当てで転職したことはありませんが、年収ベースで最低3割以上アップしなければ意味がないと思っています。実際に働いていない段階では、会社の自分に対する期待度や価値を推し量る物差しはお金しかないですからね。

--リーダーとして転職した場合、社員をどう説得すればよいでしょうか。

一緒に頑張りましょうと言ってくれる人はどんなに甘く見積もっても10%。20%は意地悪な目で見ています。70%はお手並み拝見といったムード。

社内で影響力のある人を5~10%押さえれば全体のリードはうまくいくので、半年くらいは自分を理解してもらうようコミュニケーションを密にしていくことが大切ですね。その上で2~3年かけて数字をしっかりと出すことが重要です。

(写真:今井康一)

あたらし・まさみ
 1936年東京生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスを含むグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40数年にわたり社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年より住友商事を含む数社のアドバイザリー・ボードメンバーを務める。長年の経験と実績をベースに経営者、経営幹部を対象に経営とリーダーシップに関する講演・セミナーを通じて国内外で「リーダー人財開発」の使命に取り組んでいる。また“エグゼクティブ・メンター”として経営者・経営者グループに対する経営指導・相談の役割を果たしている。実質的内容の希薄な虚論や空論とは異なり、実際に役に立つ“実論“の提唱を眼目とした、独特の経営論・リーダーシップ論には定評がある。著書・CD教材多数。近著『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(ランダムハウス講談社刊)は、悩み多き部課長だけでなく、現役経営者、これからリーダーになる若手ビジネスマンの間でも話題。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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