エルメネジルド・ゼニアCEO--高級メンズブランドにとって新宿は有望なエリアだ


--今回オープンした新宿の大型店店舗は、世界的な不況の中での出店となりましたね。エルメネジルド ゼニアのような、ラグジュアリーブランドには逆風となるのではないですか。

ゼニアブランドの品質については自信を持っています。ですから、不況だからといって、価格を引き下げたりすることはしません。

ただ、今回の開店にあたっては、買い求めやすい価格帯の商品も当初より増やしています。新しい顧客にもぜひ来店してもらいたいと考えています。

東京の新宿は日本の中で見ても、例えば銀座に比べれば新しく発展している魅力的なエリアです。伊勢丹など顧客の支持を得ている百貨店もありますしね。

しかし、新宿には高級専門店はあまりなく、この分野では充分な市場規模があると考えています。確かに不況期の出店になりましたが、長い目で考えるべきでしょう。

--これからの日本での戦略について教えて下さい。

世界的なバランスの中で考えていきます。日本の売上高は全世界の約10%を占めており、36店舗を展開しています。そのうち路面店は6つほどで、残りの店舗は百貨店の中のインショップが中心です。日本には今まで意欲的に投資をしてきましたが、今回の旗艦店オープンで、一区切りついたと考えています。

--店舗戦略の中心である、百貨店は現在不況に喘いでいます。

現在の戦略を大きく変える予定はありません。いまは世界経済が混乱している時期であり、先行きが見えにくい。経済状況が落ち着いてから戦略を立てていくべきでしょう。 

日本の百貨店の苦戦については私も知っていますが、百貨店という業態がなくなるわけではありません。百貨店の中でも強い企業は必ず生き残ります。私達はそうした百貨店などと組んでいきたいと考えています。


エルメネジルド ゼニアグループ
 1910年に初代エルメネジルド・ゼニア氏により北イタリアのトリヴェロで設立。良質な原毛の買い付けから、紡績、織物まで一貫している服地メーカー。世界の複数のスーパーブランドが同社の生地を使っていることはよく知られている。約40年前からは小売店も展開。最高級の「エルメネジルド ゼニア」を核に、若者向けでファッション性も高い「ジーゼニア」、さらに革新的な技術を取り入れたアーバンスポーツウエアの「ゼニアスポーツ」の3つのブランドポートフォリオで展開。08年の売上高は約8.7億ユーロ(約1136億円、1ユーロ=130円換算)。売上高の内訳は生地関連と小売関連がほぼ半分ずつを占める。株式は公開していない。

エルメネジルド・ゼニア
 1955年生まれ。53歳。ロンドン大学で経済学学士号取得。2007年より同グループのCEOに就任。創業者を含めグループの4代目。イタリア・ラグジュアリー製品協会副会長

(福井 純 =東洋経済オンライン)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT