アップルがMacとiPadを1台にしない理由 なぜマイクロソフト流の統合をしないのか

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製品の統合に対する言及は、永遠のライバルであるマイクロソフトを意識したものだろう。タブレットとPCを統合するSurfaceシリーズに、Surface Bookを投入し、よりノートパソコンらしさを追究した「2-in–1マシンを完成させた。

これに対して、昨年秋からティム・クックCEOも、繰り返し「統合は中途半端になる」とのメッセージを送り続けており、MacとiPadの統合はないと明言してきた。クロール氏も「統合すると妥協が出てしまい、よいデバイスにならない」と、改めて統合へは否定的な意見を述べた。

「過去2年間、さまざまなプロダクトを作ってきて、顧客からの共鳴を得ている。iPhoneの浸透も、ブランドに親近感を覚え、われわれのメッセージを理解してくれるきっかけを与えた。その結果、オープンにMacを選んでもらえているのではないだろうか。実際、多くの人々が、Macの魅力を発見してくれている」

Macは、パソコン市場を10年間牽引

iPhoneの販売シェアが非常に高い市場である日本は、アップルがMacの販売拡大により取り組むべき市場であるとの戦略がわかる。

日本市場での具体的なMac販売台数については明らかにされていないが、IDC Japanのデータによると、2015年第3四半期は、過去5年間と比較してシェアが2倍に上昇したという。パソコン市場全体では20%を超えるマイナス成長を記録しており、相対的に販売シェアが向上する堅調さを見せる。

「Macは、パソコン市場を10年間牽引している存在」とクロール氏は説明する。かつて「Windows支配への反旗」という勢力図から、「世界を席巻するiPhoneを擁するアップルのコンピュータ」へと、その立場が変わった10年でもあった。

iPodのアイデンティティとなっていた白いイヤホンケーブルのように、街の中でのアイコンとなっている。クロール氏も、日本のスターバックスでたくさんのMacを見かける光景について、喜ばしく語っていた。

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