イオンの新業態は成功するか、巨艦も“近さ”へ転換

イオンの新業態は成功するか、巨艦も“近さ”へ転換

「事業構造の転換を図る」。イオンの岡田元也社長はそう語る。

2008年度、7期ぶりの最終赤字に転落したイオン。これまで牽引役だった、郊外の大型ショッピングセンター(SC)が転機を迎えている。全国既存SCの売上高は今年3月、前年同月比8・3%減と02年の統計開始以来の最低水準を記録。イオンでも東北など特に地方大型店の落ち込みが大きい。郊外出店の規制強化や、金融情勢悪化による資金調達難も影響を与える。

そんな中で、イオンが次の戦略の柱とするのが、人口増の続く首都圏での小型店展開だ。同社にとって、店舗数の少ない首都圏での事業拡大は、大きな経営課題だった。

さらに消費者の変化が、戦略転換の背中を押す。昨年秋以降、消費者の節約志向は増す一方。「必要なものしか買わず、週末のまとめ買いが減少した」(中堅スーパー)。こうした堅実な姿勢が、消費者の“近所買いニーズ”を高めている。

イオンの小型店戦略の核をなすのが、新業態「まいばすけっと」だ。売り場面積40~50坪はコンビニとほぼ同じ。想定する商圏は半径500メートルと、近所買いニーズに的を絞る。

商品数は通常のスーパーの3分の1に当たる3000品目に絞りながら、50種類の青果が店頭に並ぶ。昼どきにもなると、店内にはエプロン姿の女性が目立つ。女性客が半分以上を占めるのが、同店の特徴だ。

大池学まいばすけっと事業部長は「女性が来店しやすい工夫をしている」と語る。たとえばコンビニの入り口に置いてあるような灰皿は置かない。若者がたむろしやすい書籍や雑誌なども扱わない。一方で、店内を清潔に保つため、床の材質は手入れが容易なセラミック製にこだわった。清掃も短時間で済み、手間のかかる生鮮食品を扱いながらも、常時3~4人で店舗運営ができる。

もう一つの武器が、低価格だ。100円を切る青果、99円の500ミリリットルペットボトル。同店はグループの調達ルートを活用するため、低価格が可能になる。さらに店内には、68円のカップ麺など、低価格のプライベートブランド(PB)が並ぶ。PBの構成比は約3割にも上る。

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