今回の騒動で明らかになったのは、ジャニーズ事務所の陰湿性と前近代的な経営が日本国民の前にはっきりと示されたということです。芸能事務所に「コンプライアンスがなってない」などというつもりは毛頭ありませんが、事務所の発展に貢献してきたSMAPに対する感謝すら微塵も感じられない冷徹な対応には驚くばかりです。
なぜ、このような理不尽なことができてしまったのでしょうか。それは、マスメディアの報道がおおむね、ジャニーズ事務所にとって都合の悪い事実はすべて覆い隠し、一方的に事務所が正しいという流れに終始していたからです。
真偽の検証をしない芸能メディア
今回の騒動の真相は、スポーツ紙やテレビで報道されているように、飯島氏が秘密裏に独立を画策し、それに4人のメンバーが加わったという類の話では決してないだろうと思われます。ところが、大手メディアで流れている報道では、解散危機の原因はなぜか独立をしようとした飯島氏と木村氏を除く4人にあるといい、真相が大きくねじ曲げて伝えられていたのです。
実に奇妙だったのは、ジャニーズ事務所の御用メディアであるスポーツ紙の報道に対して、他のマスメディアがその真偽を検証することなく、さも事実のように垂れ流し続けていたということです。テレビの報道の現場で、独自の取材をしたという形跡もあまり見られなかったということは、芸能メディアの暗部を見事にさらけ出していたように思われます。
私たちはスポーツ紙やテレビでジャニーズ事務所の意向に沿った報道を見せられていたわけですが、そのような報道は真実を知りたい読者や視聴者を馬鹿にしているとしかいいようがありません。そういう御用メディアは、読者・視聴者の側に立った報道をしていないのですから、遅かれ早かれ、多くの読者・視聴者の離反を招くことになるのではないでしょうか。
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