情報分析のプロが「SMAP騒動の真相」を読む 露呈した前近代的経営と芸能メディアの暗部

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今回の騒動で明らかになったのは、ジャニーズ事務所の陰湿性と前近代的な経営が日本国民の前にはっきりと示されたということです。芸能事務所に「コンプライアンスがなってない」などというつもりは毛頭ありませんが、事務所の発展に貢献してきたSMAPに対する感謝すら微塵も感じられない冷徹な対応には驚くばかりです。

なぜ、このような理不尽なことができてしまったのでしょうか。それは、マスメディアの報道がおおむね、ジャニーズ事務所にとって都合の悪い事実はすべて覆い隠し、一方的に事務所が正しいという流れに終始していたからです。

真偽の検証をしない芸能メディア

今回の騒動の真相は、スポーツ紙やテレビで報道されているように、飯島氏が秘密裏に独立を画策し、それに4人のメンバーが加わったという類の話では決してないだろうと思われます。ところが、大手メディアで流れている報道では、解散危機の原因はなぜか独立をしようとした飯島氏と木村氏を除く4人にあるといい、真相が大きくねじ曲げて伝えられていたのです。

実に奇妙だったのは、ジャニーズ事務所の御用メディアであるスポーツ紙の報道に対して、他のマスメディアがその真偽を検証することなく、さも事実のように垂れ流し続けていたということです。テレビの報道の現場で、独自の取材をしたという形跡もあまり見られなかったということは、芸能メディアの暗部を見事にさらけ出していたように思われます。

私たちはスポーツ紙やテレビでジャニーズ事務所の意向に沿った報道を見せられていたわけですが、そのような報道は真実を知りたい読者や視聴者を馬鹿にしているとしかいいようがありません。そういう御用メディアは、読者・視聴者の側に立った報道をしていないのですから、遅かれ早かれ、多くの読者・視聴者の離反を招くことになるのではないでしょうか。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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