”生食べ”で美男美女に!? 米国のローフード人気は不況知らず
米国でのローフードは、西海岸のカリフォルニア、特にハリウッド周辺で盛んだ。有名デザイナーのドナ・キャランがローフードで体重を約20キログラム減らし、デミー・ムーアが映画撮影前にロサンゼルス近辺のローフードレストランに通ったりして、体重を減らし、肌をきれいにした。メル・ギブソン、ユマ・サーマンもローフード実践者だ。
こうした体重調整が仕事に欠かせない有名人たちのネームバリューもあり、ローフード人気が庶民にも広まってきている。最近では日本でもローフード実践者が少しずつ増えている。
サルマはニューヨークだけにとどまらず、東京やロンドンへの出店も考えている。ローフード料理の共著の後、6月には単独の著書が出る予定。また、ローフードをオンラインで販売するeコマースのワン・ラッキー・ダック社を2005年に設立した。
「世界に出荷しているけど、日本からもオンラインでローフード食品の発注があるの」と、サルマ。派生ビジネスとしてスキンケア製品、オーガニックな服飾品、アイスクリーム、健康雑誌出版、ローフードのペットフードなどへの進出も考えている。レストランと合わせ、2008年度の売り上げは440万ドルだった。
関連ビジネスも盛んだ。現在のローフード・ブームの火付け役ともいえるデビッド・ウルフが、オンラインで有機ローフード食材販売を手がける(www.sunfood.com)など、ローフードはネットビジネスでも注目のジャンルだ。
また、北カリフォルニアのフォート・ブラッグ市にはローフードの料理教室があるが、1日コースが365ドル、5日コースが1575ドルとけっこう高い。料理器具関連では、約500ドルのミキサー、低温の乾燥オーブン、ディハイドレーター(食物乾燥機)が約200ドルから。調理時間が時に24時間かかるものもあり、手間暇がかかるため、ローフード関連製品の価格は高め。
美と健康を武器に、ローフード・ビジネスは、大都市を中心に、不況をはねのけて伸びそうな勢いだ。
■ピュアフード・アンド・ワインのほかにも、ローフードレストランが増えている
■テイクアウトのサラダ店もニューヨーカーに人気だ
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)