波乱相場で絶好の仕込み場がやってきた 大転換点を迎え個別銘柄の戦いが始まる

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中野:20世紀において、石油輸入国が生み出した富の一部は、石油を買うことを通じて資源国へと移転していきました。でも原油価格が下がれば、今度は産油国から石油輸入国へと富がシフトすることになります。先進国は、まさに今、その富を享受する側に立っています。加えて言うと、インドは石油輸入国なので、原油安による恩恵をフルに享受できます。インド経済は活性化するでしょう。

つまり、産油国から石油輸入国に富が移転すると共に、原油安を背景にして、新興国のリーダー役が、中国からインドにシフトする可能性が高まっています。大きなパラダイムシフトが起りつつあるのです。

藤野:さっき、渋澤さんが「FRBが年内、再利上げをするのは難しい」とおっしゃいましたが、逆に利下げへと転じる可能性は。

中野:それはウルトラCじゃないですか。でも、黒田バズーカとともにFRBが利下げを行えば、株価は爆騰するはずです。

藤野:売り方は全滅でしょうね。

現預金に課税したら日本は変わる

渋澤:少なくとも、ここから先の相場は、政治色が一段と強まると思います。2016年5月は伊勢志摩サミットがあり、夏は参院選挙ですから、政策を発動してでも、株価を押し上げようとするでしょう。たとえば、2017年4月に予定されている消費税のさらなる延期の話が出るかもしれません。なので、恐らく株価は夏場にかけて戻します。ただ、選挙の後に、何かしら再び難所を迎えるでしょうね。

藤野:今の状況で消費税率を引き上げたら、日本経済はかなり厳しいでしょうね。今の日本が抱えている問題は需要不足ですから、消費税率を引き上げるよりも、資産課税にした方が効果的だと思います。そうすれば、預金に滞留している資金が消費に回るでしょう。

中野:でも、ドイツなどはマイナス金利で、実質的には資産課税されているのと同じ状況ですが、それでも預金から消費におカネが回っているという話は聞きません。資産課税しても、実際にはあまり効果がないのでは?

渋澤:資産課税の名称を「現金増税」というくらいに強烈なものにすれば、少なくとも現預金からお金が動き出すのではないでしょうか。ただし、課税するのは現預金だけ。リスク資産は保有したままでも課税しない。そうすれば、投資も活性化されます。

藤野:そして、現金増税する代わりに、消費税率を下げるのですよ。そうすれば確実に消費は増えます。日本の問題は、おカネを持っているのにも関わらず、現預金のまま抱え込んでいるところにあるわけですよね。消費税は消費に対して課税するわけですから、消費が行われなければ、そもそも税収も伸びない。それよりも、現預金に対して課税した方が、消費や投資という形になって現金が表に出てきますから、需要不足を解消し、かつ税収増をはかるうえでも効果があると考えます。

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