社長を刺せない「社外取締役」は不要だ なぜ日本の経営者は順張りしかできないのか

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こうした日本の企業の中で、きちんと会社を「社内の論理」ではなく「社会の公器」として機能させ続けるには、どうしたらよいのだろうか。内部だけでなんとかしようとしても限界がある。だから、制度化された「外圧」を利用するしかない。その外圧とは、株主総会であり、社外取締役である。

社長を動かすのは論理よりもしつこさ

「日本の社外取締役はしょせん社長のお友達だから、厳しいことは言わない」という批判もある。社長のお友達が社外取締役になっても別にかまわないが、その人のことを大事に思うならば、刺すべきときは刺すのが本当の友情だろう。少なくとも私ならそうする。

社外取締役の仕事は、会社は「社会の公器」という視点から、ステークホルダー全体の長期的な価値の向上を考え、経営状況を監視し、必要であれば進言することである。

もちろん、社外取締役が「あの事業はもうダメだから手放せ」と言っても、社長は簡単には首を縦に振らないだろう。いくら論理的に正しくても、共同体内の論理や社長の順張り志向にはなかなか勝てないのだ。

ただし、乾坤一擲(けんこんいってき)の進言はあまり効果がないが、あきらめる必要もない。私の経験からすると、3年くらい「あれ、どうなった?」と言い続けると、社長も聞き入れてくれるものである。単純に、しつこさに根負けしたということもあるだろうが、日に日に業績が悪化していくことで、「だから私が言ったとおりじゃないですか」と、こちらの主張が立証されていくからだ。

社外取締役が責務を果たすためには、経営者に論理で負けないことも重要だが、それと同じくらい、粘り強く訴え続けるしつこさも重要なのだ。

(構成:長山 清子)

冨山 和彦 経営共創基盤(IGPI)グループ会長

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とやま かずひこ / Kazuhiko Toyama

経営共創基盤(IGPI)グループ会長。1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学MBA、司法試験合格。ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。共著に『2025年日本経済再生戦略』などがある。

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