ニトリ社長「退任じゃない、死ぬまで現役だ」 カリスマ創業者が社長の座を譲る理由とは?
「『退任』という一部報道があったが、退任ではない。くれぐれも誤解がないように」――。そのコメントは、社長の座を譲るというより、生涯現役のニュアンスを強く感じさせるものだった。
ニトリホールディングスは1月26日、創業者の似鳥昭雄社長(71)が会長に就き、白井俊之副社長(60)が社長に昇格する人事を発表した。2月21日付で似鳥氏がCEO(最高経営責任者)に、白井氏がCOO(最高執行責任者)となる。似鳥氏は「私がロマンとビジョンという方向・方針に責任を持ち、白井が方法と手順を執行する」と、両者の役割分担を説明した。
1967年に札幌で創業したニトリを一代で家具製造・小売りの国内最大手に成長させた、カリスマ経営者の似鳥氏。2017年に創業50周年を迎えるタイミングでの社長交代について、「白井は新しい時代を切り開くにふさわしい。今までを否定し、新しいやり方で成長を果たしてもらいたい」と語った。
ただし、冒頭のコメントにもにじむように、第一線から退く気はさらさらなさそうだ。「3月で72歳になる。普通の会社だったら定年を過ぎているが、まだまだ気力は充実しており、いつでも20代という気持ちでやっている。死ぬまで現役でいたい」(似鳥氏)。
満を持してのエース登板
新社長になる白井氏は、似鳥氏と同じ北海道の出身。宇都宮大学工学部を卒業後、1979年に新卒でニトリに入社した。2014年からは、ニトリHD副社長と事業子会社であるニトリの社長を兼務している。
今回の社長就任についても、臆するところはなさそうだ。「社員が100人に満たない時代から似鳥社長とやってきた。自分の会社というつもりだ」と、白井氏は意気込む。
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