社長を刺せない「社外取締役」は不要だ なぜ日本の経営者は順張りしかできないのか

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不用意な逆張りをせずに出世した経営者は、社内の論理に縛られ決断ができなくなっている(撮影 : 梅谷秀司)
カネボウやJALを再生させた日本のガバナンス経営の第一人者が、日本の企業統治の問題点や、今後求められるガバナンスのあり方を解説する。

第1回:不正会計への道は「善意」で舗装されている
第2回:「愛社精神」という、日本独自の不毛な発想

「撤退」の決断ができない社長

カネボウやJALを再生させた日本のガバナンス経営の第一人者が、古い日本的経営でも米国式株主主権主義でもない、新しい経営のあり方をストーリー形式で解説する、ガバナンス指南書の決定版。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

企業の最高意志決定者は社長(CEO)である。もし、ある事業の業績改善が見込めない場合は、社長が撤退を決断しなくてはならない。しかし、今の日本の大企業の社長には、その決断ができない人が多い。

なぜなら日本の経営者は、基本的に“逆張り”が苦手だからだ。日本企業の中には、「4年で交代」「6年で交代」といった不文律に従って社長になった人も少なくないが、彼らは、いろいろな意味で不用意に逆張りをせず、結果的に出世競争に勝ち残った人たちだ。

サラリーマン人生においては、逆張りをすると偉くなれないケースが多い。逆張りをして失敗するとひとり負けになり、出世において大きなマイナス評価を受けるからだ。一方で、順張りをしていれば、仮に失敗してもあまり責任を問われずに済む。「私だけ失敗したのではない。みんな失敗している」と弁明すれば、日本では比較的寛容に見てもらえるからだ。

リストラや事業からの撤退は共同体の一部を切り捨てる行為であり、社内の論理に対する逆張りである。順張りでトップに立った社長には、なかなかできるものではない。たとえ不採算部門であっても、当該事業以外の事業も不振に陥り、誰の目から見ても「仕方がない」という状況になって、ようやく「順張り」で撤退やリストラに着手するのだ。

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