ETF(上場投資信託)の買い入れ額を増やすという可能性はあるものの、筋のよい政策ではない。
2014年10月末の黒田バズーカ第2弾以降の日経平均の上昇分は足元ですでに剥がれ落ちているので、この間に日銀が購入した分は平均コストからすると損失になっている。ほかに株を買っている中央銀行はない。買ったものをどう整理するのかは悩ましい問題だ。
ただ、緩和メニューの皿数と中身がともに苦しくなっているので、ETFの買い入れ増額を行う可能性もないとはいえない。
巷間指摘される「超過準備預金の付利金利の引き下げ」という手段はとらないと思う。10ベーシス(0.1%)を5ベーシス(0.05%)に下げる余地があるという指摘があるが、一回下げると市場は「日銀がマイナス金利を視野に入れた」と見てマイナス金利を早々に織り込みに行く。
日銀がマイナス金利政策を採用しないワケ
日銀の貸出支援策を使って、民間銀行が数十兆円のカネを日銀から借りているので、マイナス金利政策が導入されれば、マイナス金利のつく超過準備から返そうという話になってしまう。そうなれば、全体の資金供給量を増やそうという現在の日銀の政策とは矛盾する。
付利を引き下げるなら、政策の枠組みを従来とはガラリと変えて、マイナス金利政策に突っ込むという覚悟をするという話になる。こうした政策の採用がありうるとすれば、世界経済が失速して、米国も利上げどころか緩和に逆戻りする、といったリスクシナリオが実現してしまった場合だろう。
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