米大陸で感染が拡大する「ジカ熱」とは何か 蚊が媒介、小頭症とも関連
[ジュネーブ/ロンドン 25日 ロイター] - 蚊が媒介する「ジカ熱」感染が、カナダとチリを除くアメリカ大陸諸国に拡大する可能性があると、世界保健機関(WHO)が25日発表した。
ジカ熱は先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児がブラジルで増加していることと関連があるとみられている。
ブラジルで3893の症例
ジカウイルスは米国本土でまだ確認されてはいないものの、ハワイ州で小頭症の赤ちゃんを出産した女性が、ブラジルでジカウイルスに感染していたことが明らかとなった。
ブラジル保健省は昨年11月、ジカ熱と小頭症の関連性を指摘していた。WHOによると、ブラジルは小頭症の疑いのあるケースとして3893例報告している。2010年以降で30倍以上増加しており、最も感染が拡大している地域の一つ、ペルナンブコ州では新生児の1─2%に相当する。
西アフリカでのエボラ出血熱の流行に続き、アメリカ大陸におけるジカ熱感染拡大の可能性は、ほとんど知られていない病気がいかに急速に世界的脅威となり得るかを改めて示している。
「薬もワクチンもない。エボラのときも同じことを言っていた。まるでデジャブだ。非常に重要なのは、できるだけ早くワクチンを開発することだ」と、オックスフォード大学のトゥルーディー・ラング教授は語る。
商業的な見通しが不確かな熱帯病のワクチン開発に対する大手製薬会社の投資は十分とは言えず、専門家はエボラ出血熱の経験を踏まえ、インセンティブを与えるような新たな仕組み作りを訴えている。
米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は先週、「一度きりではなく、持続可能な解決策があると(企業が)思える計画のようなものが必要だ」と指摘する。