米大陸で感染が拡大する「ジカ熱」とは何か 蚊が媒介、小頭症とも関連

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世界人口の3分の1以上が、デング熱感染のリスクがある地域で生活しており、その範囲はアフリカ、インド、東南アジア、中南米にまで至っている。

WHOは声明で、ジカ熱が2015年5月以降、アメリカ大陸の21カ国・地域に急速に拡大している原因として、ネッタイシマカの生息地拡大や免疫の欠如を挙げている。

女性へのリスク

症状は軽いが胎児の先天異常を起こす恐れのある風しんのように、出産適齢期前の女性にジカ熱のワクチンを接種する必要があると、専門家は考えている。

蚊以外の感染ルートに関する証拠は限られている。

WHOは「ジカウイルスはヒト精液内に隔離されており、ヒトからヒトへ性感染した可能性が1例あるが、性的接触が同ウイルス感染の手段であるかどうかを確認するにはさらなる証拠が必要だ」としている。

ジカ熱と小頭症の因果関係が確実に証明されたわけではないものの、マーガレット・チャンWHO事務局長は、状況証拠について「示唆的で極めて懸念すべき」との見方を示した。

ジカ熱に有効なワクチンと薬の開発に加え、一部の研究者は媒介する蚊への対策に取り組んでいる。

米バイオ技術開発イントレクソン<XON.N>の英子会社オキシテックは、遺伝子操作を行ったネッタイシマカを放ち、通常のネッタイシマカを減少させることを期待している。

オキシテックによると、同社が昨年4月から11月に2500万匹の遺伝子操作されたネッタイシマカ「OX513A」をブラジルのある地域に放したところ、野生のネッタイシマカの幼虫を82%減らすことに成功。当局は、同地域におけるデング熱感染が激減したと報告している。

(Tom Miles記者、Ben Hirschler記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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