米大陸で感染が拡大する「ジカ熱」とは何か 蚊が媒介、小頭症とも関連
現在、ブラジルのサンパウロにあるブタンタン研究所がジカ熱の研究を主導しており、ワクチンを「記録的な速さで」開発する計画だと先週明らかにした。ただし同研究所の所長は、それでも3─5年はかかるだろうとしている。
英製薬大手グラクソ・スミスクライン<GSK.L>は25日、同社のワクチン技術がジカ熱に使えないか研究していると発表。一方、仏サノフィ<SASY.PA>も同社の技術が適用できないか可能性を検討しているという。
リオ五輪の懸念
ジカウイルスは、ウガンダのビクトリア湖近くにあるジカの森に生息するサルから1947年に初めて発見された。これまでアフリカや東南アジア、太平洋諸島の一部で流行が確認されてきた。
だが、ジカ熱に関する科学的データはほとんどなく、ブラジルで小頭症を引き起こしているかもしれない原因も不明だ。
ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院のローラ・ロドリゲス教授は、ジカ熱が進化している可能性を指摘する。
同教授はまた、ブラジルでリオ五輪が開催される8月になっても同国で流行が続いているようであれば、妊婦は遠ざかるか、体を覆うなど蚊に刺されないよう注意を怠らないようにするべきだと語った。
ジカ熱が流行している地域への渡航を計画している妊婦は、渡航する前と帰国時に医療従事者に相談するようWHOは勧告している。
ジカ熱の症状は通常は軽度であり、デング熱によく似ている。同じネッタイシマカによって媒介されることから、ジカ熱感染が、デング熱が当たり前となっている世界中のあらゆる場所に拡大するのではないかという不安を引き起こしている。