若い男性の約3割は「専業主夫」指向だ 「家族サバイバル戦略」としての側面も

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──稼がない男を女性が認める?

本書に出てくる専業主夫のうち望んでなった人はいない。妻が社長の人以外はそこまでは考えていなかった。男性が最初からなりたいと言って専業主夫になるのはまだ難しい。大黒柱の女性たちは夫に家事や子育てをやってもらい、支えられ応援してもらって力を発揮している。仕事の能力は高く、職場で「降りられない」立場にあり、長時間労働。いわばマッチョな職場にいる女性が主夫を必要としている。

日本は仕事と家庭の両立が難しい

「専業主夫」になりたい男たち(ポプラ新書 780円+税/283ページ)、書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

──役割交換が実態?

これは一つの夫婦戦略だなと痛感させられる。今、子どもを持ったら働きにくい日本で、仕事も家庭もと両立させるのは難しさを伴う。その局面で女性が社会で活躍するときに、陰にはこういう存在がいるのだなと、再認識させられた。

──これから増えますか。

いや、増えては困る。仕事と家庭を両立できない職場だから、夫婦どちらかが家庭専業にならざるをえない。両立できないからこそそうなっているので、専業主夫が増えたからといって問題は解決しない。

ただ男性も主体的に家事、育児をすると、それで楽しいはずだし、子どもものびのびしている。夫婦のあり方の選択肢を増やすに際して、目からうろこの選択肢にはなる。

──結果としての選択?

女性で働くことが好きで、ハードワークを緩めたくない人にはこういう形もありだろう。ただ、男性が簡単に主夫になれるとは思わない。一応、主夫に向いている条件は書いたが、いらないプライドを捨てるのがうまいとか、女性を応援できるとか、むしろそういうことが大事だ。

──周りの働き方も変えないと。

仕事以外に時間を取られると成立しない働き方になっている。たとえば介護期にあたると成立しない。逆に、ここに登場した男性たちのように主体的に育児や家事に、かかわってもらわないと女性の活躍は難しいと言いたい。両輪で進まないといけない。女性が活躍する社会にするには周りの働き方も変えていかないといけない。

(聞き手・本誌:塚田紀史)

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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