スマホを使い倒せば、自動運転車は賢くなる

クラウド・ロボティクスの果たす役割

最先端のトレンドは、クラウドをAIの「遠隔脳」として捉える。それがクラウド・ロボティクスだ。高速で信頼性の高いモバイルネットワークが整備されてきている今、自律制御に併せて、膨大な情報処理が必要な集合知の利用や、その処理系のクラウド依存が現実的になってきているのだ。

これによって本体そのもののコストも安くなり、バッテリーも長持ちするような優れたロボットを創出できる。処理系の重い部分をクラウドにたよることで、ロボットそのものがそれほど高い処理性能を持たなくてもよくなるのだ。しかも、この遠隔脳は身近なところですでにさまざまなバリエーションとして実稼働し、われわれの日常生活に役立っている。

たとえば、Google検索などでお馴染みの音声認識や映像認識などがそれに相当する。これは、ロボットが今見えているもの、聞こえているものが何であるかを把握するためにきわめて重要なテクノロジーとなる。これら、気軽に使うことができるアプリの裏側では、めくるめく速さで膨大な量のデータとのマッチングを瞬時に行うビッグデータ処理のためのクラウドコンピューティングが動いているのだ。

グーグル発で新しい技術

グーグルは、今回のCESで、同社が開発を進めているProject Tango が、コンシューマー向けのスマホ製品として、この夏にLenovoから発売されることを明らかにした。

これには、従来の写真用カメラに加えて、3Dカメラと魚眼レンズを使った3D日常空間の認識技術が使われている。当然、自動運転の際の「目」として使われる技術に活かされる。グーグルが自動運転の分野で精彩に富んでいるのは、こうしたスマホアプリで培った要素技術の積み重ねによるものだ。スマホと自動車、まったく異なるもののように見えて、実はそのソフトウェアバックグラウンドには共通する部分が驚くほど多い。

技術以外に、法律的な要素にも左右されるため、自動運転がわれわれの日常生活にもたらされる時期の予測は難しい。しかし、認識精度を高めるためにも膨大なデータが必要になるのは自明だし、こうしたテクノロジーは使われなければ改善は進まない。

つまり、冒頭で記したように、われわれがスマホアプリを使えば使うほど、「自動運転の夢」は近づくのである。

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