ゴールドマンが今後の金価格に「超強気」の理由 今後12カ月見通しは1トロイオンス=2300ドル

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米金融大手ゴールドマン・サックスは28日、金価格の12カ月見通しを1トロイオンス=2300ドルに引き上げた。シンガポールで2017年6月撮影(2020年 ロイター/Edgar Su)

[28日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックス<GS.N>は28日、金価格の12カ月見通しを1トロイオンス=2300ドルに引き上げた。安全資産である金にとって好環境が続くほか、米実質金利が一段と低下する見方が追い風になるという。

ゴールドマンによると、金価格の急騰は米連邦準備理事会(FRB)が政治的緊張を考慮してインフレバイアスにシフトする可能性があるとの見方や新型コロナウイルス感染が拡大するという予想で引き起こされているという。

金現物<XAU=>は年初来で27%上昇。安全資産への買いが増加しているためで、28日には1980.57ドルと最高値を更新した。

ゴールドマンは「各国政府がそれぞれの不換通貨を切り下げ、実質金利を過去最低水準に押し下げている現在のような環境下では特に、金は最後の投資先になるとの見方を長らく主張してきた」と指摘。基軸通貨としてのドルを巡る懸念が表面化し始めているとした。

また「経済回復に向けインフレ懸念が引き続き高まっており、ドルが構造的に弱体化する中で金の上場投資信託(ETF)にヘッジ資金が引き続き流入していることから、金はファンドマネジャーによってドルヘッジとして利用されていると見ている」とした。

銀価格も3・6・12カ月見通しを1トロイオンス=30ドルに引き上げた。「金価格の上昇と太陽エネルギーを中心とする産業需要の改善見込み」が背景という。

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