道化師「英ボリス新首相」が何気に人気の理由

トランプとは根本的に異なる部分がある?

それでも、ジョンソン氏の人気は必ずしも低下しなかった。

ポピュリストの政治家、事実を重視しない政治家といえば、アメリカのドナルド・トランプ大統領が思い浮かぶ。「白人」「金髪」「男性」という点でも共通点がある。トランプ氏自身がジョンソン氏は「自分と似ていると言われているそうだ」と発言している。

しかし、ジョンソン氏を「ミニ・トランプ」としてしまうのは、早計ではないか。ジョンソン氏には人種差別「的」発言は確かにあったものの、人種差別主義者とも思えない。

トランプとの決定的な違い

決定的な違いはベクトルの方向性だ。トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を繰り返し、メキシコとの間に壁を作ると有権者に約束した。しかもメキシコが建設費を出すことが条件だ。ベクトルは内向きである。

ジョンソン氏が首相官邸前の初演説で語ったのは「グローバルなイギリス」だ。EUの枠から出て、世界のどこの国とも自由貿易を結びたいと言う。ベクトルが外の世界に向かっている。

ジョンソン氏の選挙区の有権者や保守党員の大部分がジョンソン氏を選んだのは、「実績よりも、気持ちを明るくしてくれる人」「夢を与えてくれる人」だったからだろう。真剣であるべきの就任演説でも、ジョンソン氏はジョークや言葉遊びをあちこちに散りばめるのを忘れなかった。

メイ政権とEU側が合意した離脱協定案の中で、下院議員が最も反対したのは「バックストップ」という項目だ。北アイルランドとアイルランド共和国との間に物理的な国境を置かないための仕組みである。

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