「永遠の賃上げ」が最強の経済政策である理由

「毎年5%アップを強制する」政策が必要だ

改革を断行しないといけない理由は明確です。人口減少と高齢化です。実は人口減少と高齢化の悪影響が日本経済に本格的に襲いかかってくるのは、これからなのです。

構造的に需要が減少するという大問題

資本主義の歴史は人口増加の歴史でもあります。要するに、今の資本主義は人口増加を前提とした経済モデルなのです。これからその基礎となる人口増加が減少に転じますので、「人口増加資本主義」というパラダイムを、人口減少にふさわしい資本主義に作り変える必要があります。

今後、日本では、どの先進国より早いスピードで、かつ大規模に人口が減ります。人口が減るということは、消費者という需要者が減ることを意味します。有効な対策を打たなければ、消費の総額が減ります。需要が減れば、物もサービスも需要と供給のバランスが崩れ、供給過多になります。このことに異を唱える方はいないでしょう。

さらに、日本では他国よりも早いスピードで、高齢化がますます進展します。総人口に占める高齢者の割合がこれから数十年間、ずっと増え続けるのです。

人間は年を取ると、若いころに比べて消費する金額が減ります。この現象は、日本のみならず、どこの国でも確認されている疑う余地のない事実です。

老人も若者も同じ1人の国民ですが、先ほども説明したように若い人と高齢者の消費額は違うので、仮に総人口が減らないとしても、高齢化が進んで高齢者が総人口に占める割合が増えれば増えるほど、総需要は減るのです。

日本銀行は需要を喚起するために、かつてない規模で量的緩和を続け、銀行に資金を提供し、流動性を高めようとしています。しかし、日本ではなかなか期待していたような成果につながっていません。

日本では人口が減少しているうえ、高齢化が進むので、お金を借りる人は減る一方です。お金を使う人の数も減っていますので、構造的な減少要因が拡大しています。量的緩和は、しないよりはしたほうがいいのですが、日銀の狙いであるインフレを引き起こせるほどの効果は期待できません。

実は、人口が増加し、若い世代が多い経済でないと、量的緩和では需要が喚起されづらく、効果が出づらいのです。この傾向は全世界で確認されて、いくつかの論文も発表されています。

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