中高年のひざの痛み、「治せる時代」へ一歩前進

変形性関節症進行を止める核酸治療

ひざの痛みに悩む中高年に朗報となるか(写真:szefei/PIXTA)

ひざの痛みに苦しんでいる中高年への朗報になるのだろうか――。東京大学大学院工学系研究科・医学系研究科の片岡一則教授らのグループは1月5日、変形性関節症を核酸(mRNA)で治療する方法を開発したと発表した。

現時点ではマウスでの成果にとどまるが、位高啓史・東京大学医学系研究科付属疾患生命工学センター特任准教授は「数年後には(ヒトでの)臨床試験にもっていきたい」という。

変形性関節症は、主に加齢によりひざなど関節の軟骨が磨耗、変形して動かしにくくなり、痛みを感じるようになる病気。軟骨細胞には再生能力がほとんどないといわれており、いったん変形が始まると悪化する一方で、いまのところ根治治療の方法はない。

40歳以上の関節疾患は国内で2530万人

40歳以上の関節疾患は、国内で2530万人といわれており、高齢化が進む中で重篤度の高い患者は増えていくと考えられている。加齢による運動感覚機能障害の大きな要因とされているだけに、治療法が開発されれば、健康寿命を延ばすための有効な方法になるわけだ。

現在、ひざ関節軟骨欠損等の治療法として承認を得ているのは、人工関節や自己の他の部分から採取した軟骨を培養して患部に挿入する自家培養軟骨など限られた治療法のみ。そのうえ自家培養軟骨は歩行に支障が生じる中程度以上の外傷性または離断性骨軟骨炎に限られ、変形性ひざ関節症には現時点では適応が認められていない。手術するほどではないにしてもひざに痛みがあると、QoL(生活の質)は大きく低下する。こういったレベルの患者数は多いにもかかわらず、痛み止めやヒアルロン酸注射のような対症療法しかないのが現状だ。

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